東宝には,三浦光雄,伊藤武夫、友成達雄さんと
キャメラマンの名手がおられました.
その中に名キャメラマンの三村明(みむら・あきら)さんが
おられます。
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三村さんは,広島から渡米して
ニューヨーク写真専門学校映画科で学びます.
日本人として初めてニューヨーク・カメラマン・ユニオンに
加入します。
そして、ハリウッドでアメリカ映画を勉強されました。
日本人カメラマンとして初めてハリウッドで
撮影助手を務め撮影技術を習得されました。
東宝の設立時に,撮影技師として入社されます。
ハリウッド仕込みの流麗なカメラワークで、
多くの名作の撮影を担当、トップキャメラマンとして
不動の地位を築かれます
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山中貞雄の遺作『人情紙風船』、が有名です.
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クライマックスの右京が原の決闘シーンで
有名な黒澤明のデビュー作
『姿三四郎』や
『ハワイ・マレー沖海戦』、『加藤隼戦闘隊』
、
『支那の夜 蘇州夜曲』、『上海帰りのリル』などで
トーキー初期から日本映画の撮影技術の基礎を作った人とあります。
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敗戦後,米軍GHQと日本映画のいろいろ交渉に、
アメリカ仕込みの英会話を強みに
映画界では重宝されたようです。
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戦後,東宝大争議の最中に創立された
新東宝に移って,
谷口千吉(八千草薫の夫君)の反戦映画の
傑作『暁の脱走』で毎日映画コンクール撮影賞を受賞します.
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部隊から池部良(いけべ・りょう)と山口淑子(やまぐち・よしこ)が
手をつないで、脱走する場面は心に焼き付いています.
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「銀嶺の果て」や「ジャコ万と鉄」で日本人離れした
ダイナミックなアクション・タッチを見せ、
黒澤明の好敵手として注目を集めていた
谷口千吉の代表作でした。