初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

暗室での失敗

2010年04月17日 18時52分28秒 | Weblog


「写真研究会」は学内の実験棟に暗室がありました。

広い暗室で引伸機、四つ切りのバットが並んでいます。






新入部員が暗室から出てきて,首をかしげています。

「あの現像液はダメですね…」

そんなはずはないと暗室の中に入ります.






現像液,中核浴,定着液の順番にバットが3枚、

並んでいるのですが、

その部員は,真ん中、中間浴(現像停止液)に

引伸機で露光したプリント(印画紙)を浸けてしまったのです.

現像液のバットはアルカリ性で薄茶色をしています.

中間浴と定着液は酸性ですから,酢のような臭いがします.

その臭いでわかるはずですが、その部員は知らなかったのです.





フエロタイプ乾燥機がありました。

現像定着水洗を済ませた印画紙(プリント)を

クロームメッキをしたフェロ板に貼り付けます.

プリントを乗せたフェロ板に新聞紙をかぶせて,その上から,

フェロ板とプリントの間にたまっている空気をゴムローラーで抜きます.

フェロ板をかまぼこ型になった乾燥機に乗せて,帆布をかけます.

スイッチを入れてプリントを電熱で乾燥させます.

しばらくすると,

「パチ…パチ…」

と音がして、プリントが乾燥してきます。.

このフェロタイプ仕上げにはグロッシー印画紙を使います.

なかなか綺麗に仕上がりません.

むらに仕上がったプリントは再び水に浸けて、

ローラーをかけ直して乾燥させます.





同じグロッシーの印画紙でも,印画紙メーカーによって、

かかりにくいもの

割とうまくいく印画紙とありました。

              … … …

私には、フェロタイプ仕上げがうまくいく、フジの

クロロブロマイド紙、ベロナが好きでした.

黒の仕上がりが温黒調でした。

黒が少しセピアというか茶色に傾いた色調です.





当時,学生写真連盟、通称「学連(がくれん)」では、

プリントを黒く焼き込んだ写真が主流で

三菱の印画紙、月光V2を黒く焼き込んだプリントが流行りました.