1950年に日活の映画製作再開に
牽制をかけるため、五社協定が結ばれます.
そこで、日活は,劇団民芸や新国劇の舞台の俳優さんで
映画を製作していました。
1955年、「消えた中隊」が企画されます.
脚本は,黒澤明、菊島隆三です。
出演は,新国劇の辰巳柳太郎 (たつみりゅうたろう)
島田正吾(しまだしょうご)、石山健二郎(いしやまけんじろう)
大山克巳(おおやまかつみ)…他,
島崎雪子(しまざきゆきこ)等でした。
そこへ何故か監督に、名キャメラマンの
三村明が選ばれます.
三村明は『人情紙風船』はじめ『ハワイ・マレー沖海戦』、
『加藤隼戦闘隊』を担当していますし,
脚本の黒澤明とは、『姿三四郎』でキャメラを担当しています.
… … …
「三村さんほどの名キャメラマンは一度監督をしてみたら…」
という冗談でも出たのでしょうか.
三村明さんは監督第1回作品として
『消えた中隊』を任されます.
しかし、担当するキャメラマンが
決まらなかったのではないでしょうか.
ポスターを見ると,三村明,
監督第1回作品とあります。
そして、撮影・三村明となっています.
いくら第1回監督作品の監督、三村明とはいえ、
名キャメラマン三村明ですから
この作品のキャメラを担当する人が恐れ多くて
いなかったのではないでしょうか.