Y君の家は,京都の西大路丸太町(にしおおじ・まるたまち)か、
大将軍(たいしょうぐん)辺りにあります.
何故か,Y君一家はお寺に住んでいました.
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当時,LPレコードが輸入されると,
この素晴らしいLPレコードの音質を損なうことなく、
スピーカーに導くために,色んな回路,製品が出回りました.
ハイファイという言葉が流行りました.
Hi Fi、と書きます。High Fidelity(ハイフィデリティ)
高忠実度再生という意味です。
音質の良いアンプは,ハイファイアンプと言われていました。
お寺には、なんと、イギリスの有名なハイファイアンプ
「リークポイント・ワン」が置いてありました.
それにレコードプレーヤーはイギリスの
「ガラード・オートチェンジャー」があります。
このふたつだけで、私はびっくりしてしまいました.
スピーカーシステムはなんだったか覚えていません.
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SPレコードのときは、手でレコードの溝に
ピックアップを下ろしました.
LPレコードは手で操作してはならない.
「オートチェンジャー」で演奏させなくては,
LPレコードに良くないと言われていました。
ガラードのオートチェンジャーはそういう意味で理想的です。
レコードから流れてくる微弱な電流を増幅する
プリアンプは独立したシャーシーに
組まれてケースに入っています.
プリアンプを通った音声電流は,
メインアンプに導かれます.
メインアンプの出力菅は4極ビーム菅、KTー66(けいてぃろくろく)が
使われていました.
メインアンプも,独立したシャーシーで
ケースに入っています。.
再生装置のプリアンプとメインアンプに
安定した電流を流すため
定電圧放電管を使った,余裕の電源部です。
これも独立したシャーシーに組まれていました.
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当時,有名はハイファイ再生装置は,
プリアンプ,メインアンプ,電源部の
3つに装置が分かれていました.
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その後,回路が改良されて,3つの装置を1つにまとめた
アンプが主流になります.
オーディオアンプはプリアンプ,メインアンプ、電源部,が
1つになりました。
「スリー・イン・ワン」アンプといわれるようになりました。
レコードはこれも英国のH・M・V(えっちえむぶい)の
レコードで,
フルトベングラー指揮のシンフォニー、
ダヴィッド・オイストラフの
ヴァイオリンを聴かせてくれました.
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Y君の家の商売は何だったのでしょう。
ドイツ製のカメラもふんだんにあるし
、
先端のLP再生装置もある。
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そしてお寺に住んでいる
このコントラストが不思議でした。