Y君がLPレコードを聴きに家へ来いというのです。
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その前に,私のレコード事情を書きます.
私のレコードプレーヤーは,赤井電機のフォノモーターと
小林理研のクリスタルピックアップで
6ZP1ー12FK(傍熱・半波整流)シングルアンプです。
レコードはもちろん,SPレコードです.
SPレコードは78回転(一部に80回転もありました)の
レコードで下に落とすと割れます.
シェラックという天然樹脂の黒い盤で
スクラッチ・ノイスの雑音の中から
音楽が聞こえてきます.
両面に録音されていますが,
片面の演奏時間が3分ぐらいで短いのです.
クラシックを聴くときは,何度も何度も,
レコードを取り換えなくてはなりませんでした.
戦後,アメリカから大量の軽音楽の
レコードが入ってきました.
ドリス・ディの「センチメンタル・ジャーニー」をはじめ
ビクターからはS盤、
コロンビアからはL盤というシリーズで,
アメリカから軽音楽のレコードが発売されました。
まだ、Jーポップなど無いときです.
… … …
1948年にアメリカで,新しいレコード方式の
LPレコードが発売されました.
(ロング・プレイング・レコード=長時間レコード)の意味です.
次の年,1949年にRCAから
ドーナッツ盤(EP盤)が発売されました.
… … …
京都・四条高倉(京都・大丸百貨店のそば)の
アメリカ文化センターで
LPレコードを聴かせてくれることがわかりました。
係の女の子が聞かせてくれました。
LPレコードを聴いて驚きました.
スクラッチノイズが全くありません。
78回転のレコードのスピードになれている私に,
LPレコードは,早いテンポの音楽でも
33・1/3回転で非常にゆっくり回っています.
しかも、シンフォニーの1楽章をレコードを変えることなく
連続して再生されます.
音質がすばらしいもので私は、LPの虜になりました。
そのLPレコードと再生装置がY君の家にあるというのです….