初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

映画「消えた中隊」 ③

2010年04月07日 19時16分05秒 | Weblog


日活で「消えた中隊」の製作が始まります.

ストーリーは,大戦の末期の北,満の,ソ満国境で,

ソ連領とにらみ合いの関東軍の話ですから,地味な話です。

出演者は舞台俳優で固めています。

新国劇の、辰巳柳太郎、島田正吾、大山克巳、石山健二郎、清水彰です。

映画女優の島崎雪子が出演しています.

「新国劇」は辰巳,島田でリアルな殺陣(たて)が売り物の劇団でした。

「国定忠治」は迫力のある殺陣でした.

この映画の脚本は,黒澤明と菊島隆三ですから、

しっかりした本だったことでしょう。





黒澤明の作品「姿三四郎」でキャメラを担当した三村明氏は

黒澤監督から一度,監督してみたらと言われたのでしょうか,

              … … …

三村明が何故、日活で,監督を引き受けたのか,私にはわかりません.

              … … …

監督は,孤独な仕事だと思うようになってきました。

映画監督にアッピールするように俳優は演技をします.

キャメラマン以下,照明,小道具,大道具も監督の意図に合わせて,

セット(舞台)を作り上げます。

監督、対スタッフ,キャストです。

監督の意図をスタッフ,キャストが理解して仕事が出来るように

説得しなくてはいけません.

また監督は,スタッフ,キャストに対して

リアクションの,演技しなくてはなりません.

             … … …

渡辺邦男監督のように悲しい場面で,涙を流して見せたり,

俳優さんが熱演したカットでは張り切って力強く

「OK…」と頷かなくてはなりません.

             … … …

野球の元中日監督のように、ダグアウトの中で,

選手のまずいプレー見た元監督は,そばにあった椅子を蹴っ飛ばして

怒って見せていました.

              … … …

,劇場の観客は遠く離れて,芝居(演技)を見ています。

その遠い場所で見ている観客にアピールするために

舞台俳優はどうしても,大振りの芝居になります。

映画は,劇場の舞台よりはるかに近付いたものですから

役の上の表情も大げさに映ります

言い換えれば、オーバーな演技になります。

それを、映画監督は,抑えていかなくてはなりません.





「▼▼さん、絶対,監督はやるものじゃありません…」

としばらくして,▼▼さんは三村明氏から

,監督の苦労話を聞きました.

映画監督のことを

「世の中にあんな悪い奴はいない…」

と怒っていた▼▼さんは話を聞いて納得したようです.