朝からの雨です。予報では降水率90%です
花散らしの雨といっています.
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いよいよアルバイト初日を迎えました.
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朝,N君に仕事場の暗室に案内と説明を受けました.
暗室の広さは,八畳の間ぐらいでした.
印画紙に感光しない、オレンジ色(薄茶色)のセーフライト(暗室ランプ)が
あちこちについていて,
思っていた以上に明るい室内(暗室)でした。
暗室の片側に、ラッキー2B引伸機が3台並んでいました。
3人で引伸プリントをするのです。
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それぞれの引伸機の間に2枚のバットが並んでいます.
引伸機に近い方に、印画紙現像液(アルカリ性)が入っています.
そして、その隣のバットは,酢酸(酸性)の入った
ショートストップ(中間浴)が置いてあります.
ネガ現像を済ませて乾燥したフィルムを金属製のネガキャリアに挟んで
引伸機に装填します。そしてフットスイッチ(足踏みスイッチ)で
ランプを点灯して印画紙に露光(焼き付け)します。
その印画紙をまず現像液に浸けます.
現像の進行を見て,印画紙を隣の中間浴に入れると、
現像の進行はストップします。
露光した印画紙を現像してドンドン中間浴に入れていきます.
中間浴のプリントがたまると,アルバイトの女の子が
部屋の隅に置いてある定着液(酸性)に入れて,
竹のピンセットでむらなく適当に動かしています.
これでプリントの現像処理は終わりです.
処理の済んだ印画紙を、流しに置いてある,
金網のバスケットに入れます.
そして、30分ほど攪拌と流水で水洗を済ませると
プリントした印画紙の処理は終わりです.
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水洗処理が終わるころ,引伸ばしプリントをしていた、
われわれも仕事が終わっています.
暗室の外はかなり陽が傾いています
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水洗で濡れたままのプリント印画紙を、
回転乾燥機で艶出し乾燥にかかります.
乾燥機のピカピカの鏡のようなドラムから
乾燥したプリントが次々と出てきます.
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ネガフィルムの番号と引き伸ばしプリントの際に鉛筆で記入した
プリント番号を照合して袋に入れて,
今日のわれわれの仕事は完了です.
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N君の父親はプリントの袋を束ねて、
京都蹴上げのホテルに持っていきます.
約束の時間に十分間に合います