初心者の老人です

75才になって初めてVISTAを始めました。

アンソニー・カメラ

2010年08月10日 21時26分12秒 | Weblog



わが家の近所に、写真館がありました.

下鴨小学校に入学した私に

真新しい学生服を着せ,

母は紋付き姿で写真館に出かけました.

昔は,街のあちこちに写真館がありました。

A写真館は,綺麗に撮ってくれる…

B写真館はシワがなく若々しく撮ってくれる…など

それぞれ、評判の写真館がありました。

                    … … …


私たち母子が訪れたのは,

父親が勧めたT写真館でした。

2階が写場になっています。




広いスタジオに天井から照明器具が下がっています。

それをT写真師さんは、それぞれ調節して

ライティングを決めます.

スタジオの隅に大きなカメラが置かれています.

当時,写真館のカメラは,キャスターが付いて移動できる

「アンソニー」が相場でした.




写真は,もちろん、モノクロ写真です

,原板はガラス乾板です.

背景紙の前に置かれたソファに私たちを座らせます.

アンソニーをセットして,

写真師はカメラの暗幕を頭からスッポリ被って,

構図とピントをカメラの後で合わせます.

やがて乾板ホルダーをセットして,

レンズ前に付いている

ソルントンシャッターを巻き上げます,

シャッターから伸びた、ゴムチューブ先のゴム球を持って,

私たちに向きます.

「ハイッ…」

でソルントンシャッターはB(バルブ)で露光します.






写真館の帰り際に、受付で、仕上がりの写真サイズを確認します.

写真師さんはこれから「修正」という大仕事が待っています.

修正ニスで乾板に写っている母親のシワを修正するのです.

写真の仕上がりサイズが大きいと,キメの細かい修正を施します.

サイズが小さいときは,修正が少し粗くなるのでしょう.

                    … … …

近所の知り合いが,

あんたら親子の写真が

ショーウィンドウに出ているよ知らせてくれました.