映画館で何百人の観客の前の大きなスクリーンに
投影する映画は観客の後の映写室の
35ミリのシネサイズ,(ライカハーフ判、
ペンサイズ)映写機(プロジェクター)から
投影されます.
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家庭に置いてあるテレビ受像機は,
映画館のスクリーンよりはるかに小さい
14吋のブラウン管(標準)で
映像を見ます.
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映画館のスクリーンと家庭のテレビのブラウン管を比較して,
映画館が35㍉フィルムならば、テレビで使用するフィルムサイズは
16ミリフィルムで充分だろうと考えられたのでしょう.
テレビ局でテレビ映画,ニュース,ドキュメンタリー映画を
放映する映写機(プロジェクター)は16ミリです。
報道局で使用するニュースカメラは,
16ミリフィルモがスタンダードでした.
ドキュメンタリー番組も16ミリでした。
テレビ局のプロジェクターが16ミリでしたから、
ハリウッドのテレビ映画が
劇場用の35ミリキャメラを
使用した本格的な映画機材で制作されても、
テレビ局用に16ミリに縮小プリントされました。
アメリカのテレビ映画の原板が35ミリで
作られた映像を16ミリに縮小プリントされても、
ノイズ(キズ)の少ない鮮鋭な映像を保っていました.
最初から16ミリのネガで作られる国産のテレビ映画は
そのまま同寸法の16ミリポジにプリントしても,
ハリウッドの35ミリネガの縮小焼き付けのテレビ映画に
比べてかなりの見劣りがしました.
安い価格で輸入されるアメリカテレビ映画に
対抗するのには、予算の掛からない
小型の16ミリキャメラで,
撮影しなくてはならなかったのでしょう.