テレビ映画も最初のころは、
どこのテレビ局も局内の「映画部」で翻訳して
声優さんの絶妙なタイミングで,
映画の俳優さんの台詞とあわせています.
英語の口の動きは、日本語は違うはずですが,
英語の台詞の間にキチッと日本語が納まりますと、
不思議にリップシンクして見えました.
… … …
テレビ映画「刑事コロンボ」の
よれよれのレンコート姿で登場する
ピーターフォークの吹き替えの
声優、小池朝雄が「ウチのカミさんが…」の
アテレコは実にピッタリした台詞でした。
翻訳の額田やえ子氏の名訳でした。
テレビ局内「映画部」での吹き替えの
仕事(アテレコ)は、外部のプロダクションに
移っていきます.
… … …
最初は,テレビ映画の画面の音を全部作っていました.
間もなく、マイナス・ワンといって、
映画の効果音、ブリッジの音楽など全部入っていて、
ただ俳優の台詞だけ入っていない
テープが来るようになりました。
俳優の台詞だけを外したという意味で
マイナス・ワンと言うのでしょう.
SOF(ソフ=サウンド・オブ・フィルム)とも
呼ばれていました.
このテープを普通に再生すれば,
アメリカの台詞入りの音声になり,
台詞のトラックを再生しなければ,
マイナス・ワンになります.
台詞のトラックを日本語の台詞のトラックに
差し替えるだけで、
日本語吹き替えのテレビ映画が出来ました。
やがて、テレビでアメリカのテレビ映画が
花盛りとなります.
テレビ映画の俳優さんと,
その吹き替えの日本の声優さんに
人気が出ます.