経営コンサルタントへの道

コンサルタントのためのコンサルタントが、半世紀にわたる経験に基づき、経営やコンサルティングに関し毎日複数のブログを発信

■■【ヨーロッパ経済の読み方】11月のヨーロッパ経済を時系列的に見る

2012-12-05 11:22:00 | 知り得情報

■■【ヨーロッパ経済の読み方】11月のヨーロッパ経済を時系列的に見る

 最近の経済ニュースのエッセンスを、独断と偏見でもってまとめてみました。

◆ ユーロ圏のGDPが2期連続で減少 2012/11/18

 EU(ヨーロッパ連合)は、第3四半期(7月から9月)のGDP(域内総生産)が-0.1%と、2期連続でマイナス成長になりました。ゆるやかな景気後退の局面に入ったことを示すと考えて良いでしょう。

    ギリシャ -7.2%(推定)
  ポルトガル -0.8%
  スペイン -0.3%
  イタリア -0.2%
  ドイツ +0.2%
  フランス +0.2%

 牽引役のドイツがかろうじてプラスというのですから、EUとしては厳しいですね。

 この影響は、元気であった東南アジア諸国にも影響が大きく出ています。

 おととしは過去最高の14.8%、去年も4.9%の高い経済成長率を示していたシンガポールですが、今年は半導体をはじめとします主力の製造業の輸出が落ち込み、1.5%程度にとどまる見通しです。

 シンガポール政府は、輸出の減少傾向は続くとみて、地下鉄の整備など内需の刺激に力を入れることにしています。その結果、経済成長率は1%から3%と見込んでいます

◆ ユーロ圏はゼロ成長の見通し 2012/11/09

 オバマ大統領の当選で「財政の崖」が一歩近づいた感がすることから、ダウが一時360ドルも下落したと伝えられました。支持者に「やるべき仕事はたくさんある」とメールしたオバマ大統領の難問は山積しています。

 一方、EU(ヨーロッパ連合)の状況は、はかばかしい回復もなく年末に入るのでしょうか。

 ユーロ圏のGDP(域内総生産)は、実質でマイナス0.4%と3年ぶりにマイナス成長に落ち込みました。来年の見通しも明るくはなく、「ほぼゼロ成長」という厳しい見通しをせざるを得ません。

 ユーロ圏経済の牽引役のドイツでも、来年はプラス0.8%の低い成長率にとどまると予測されています。

 ユーロ圏の失業率についても、経済成長の減速に伴って、来年は11.8%まで悪化するという、背筋が寒くなるような予想が出ています。

 信用不安を早期に払拭して、グローバル経済回復に弾みを付けて欲しいです。

◆ ユーロ危機不況とどう闘うか 2012/10/23

 NHKの百瀬好道解説委員が、ユーロ危機不況にどう対応すべきかについて解説していました。その要旨を独断と偏見でまとめてみました。

 緊縮財政で深刻化する景気後退にどう対応するかが大きな課題です。

 ドイツとフランスを中心に、ユーロ圏独自の予算を新しく作る構想が提案される見通しです。

 景気対策は原則的には各国の仕事だが、財政事情が苦しい国が多いので、各国まかせでは限界があります。

 EU27か国には年間13兆円の予算がありますが、その一部をユーロ圏予算に充てるとしますと、財源が減るユーロ圏以外の国は黙っていないでしょう。

 財政に比較的余裕のあるドイツやフランスが、率先して費用の負担を買って出るかどうかが最大のポイントになると思います。

◆ もしユーロ圏脱落が起こると? 2012/10/22

 ユーロが安定してきたとはいえ、ギリシャやスペインの動向からは目を離せない状況です。加えてイタリアポルトガルがあります。

 これら4か国では厳しい財政状況が続いていますが、ヨーロッパ最大のメディアグループなどが運営する、ドイツの「ベルテルスマン財団」が、「これら4か国が、仮に財政破綻してユーロ圏を離脱したら、どのような経済的な打撃を各国に与えるか」という試算をしました。

 主要国が被る経済的な損失は2020年までを合算して「1700兆円」を上回るという見通しを発表しました。

 その試算によると主な国の損失額は下記のようになっています。

  1位  フランス   300兆円
  2位  アメリカ   290兆円
  3位  中国     197兆円
  7位  日本      88兆円

の損失を被る見通しだということです。

 財政破綻してユーロ圏を離脱した場合、これらの国々の国債を保有する国や金融機関などが、巨額の損失を被ります。また、当然のことながら貿易量も大幅に減少しますので、このような巨額な金額になるのです。

 そうあって欲しくないですね。


◇ ユーロが安定方向に向かうか? 2012/10/10

 通貨ユーロを導入するユーロ圏の財務相が集まり、ESM(ヨーロッパ安定化機構)の初理事会が開催されました。信用不安対策の要となる基金が正式に発足することになったのです。

 ギリシャなどを支援してきたEFSF(ヨーロッパ金融安定化基金)に代わって、ユーロ圏の国々が経済規模にあわせて実際に資金を拠出し、財政状況の厳しい国を支援するための常設の基金です。

 ESMが支援できる規模は総額5000億ユーロ(約50兆円)に上ります。財政状況の厳しい国への融資に加えて、国債を買い取ったり、経営難に陥った銀行を直接支援したりとEFSFより機動的になります。

 その効果に期待したいですか、いかがでしょうか。

◇ ユーロ圏の景気回復はまだ先 2012/10/06

 ヨーロッパ中央銀行は単一通貨ユーロの金融政策を決める定例の理事会を開きました。

 厳しい景気の現状を引き続き金融面から下支えするため、過去最低になっている今の政策金利の水準を、当面、年0.75%のまま維持することを決めました。これで金利の据え置きは3か月連続となります。

 ユーロ圏では、財政状況の厳しい国を中心に景気の落ち込みが続いています。その結果、失業率はユーロ導入以来最悪の水準です。

 製造業も低迷が続いています。

 政策金利はすでに0.75%台と低く、さらなる利下げの余地は狭まく、金利を下げても大きな効果を見込めない状況です。

 前回の理事会で「信用不安の拡大を食い止めるため、財政難の国がEUなどに申請すれば、連携してその国の国債を市場から買い取って支援する」という対応策を打ち出しました。その結果、各国国債の利率が大きく7%を超えることも少なくなってきています。

 これ以上の悪化は金利策では限界があるだけに、早い回復を期待します。

◇ ユーロ圏の失業率最悪 2012/10/03

 ユーロ圏のことし8月の失業率は11.4パーセントと、ユーロ導入以来、最悪の水準が続いています。しかも3か月続けてのことで、失業率の悪化に歯止めがかからない状態です。

  スペイン     25.1%
  ギリシャ     24.4
  ポルトガル    15.9
  アイルランド   15.0
  イタリア     10.7
  フランス     10.6

 スペインの場合には25歳未満に限定すると52.9%と若者の半数以上が失業している状況です。

◇ ヨーロッパ好転の動き 2012/09/08

 ヨーロッパ中央銀行の定例理事会が開催されました。

 厳しい財政状況のスペイン他を対象に、新たな国債の買い取り策を一定の条件下ではありますが、正式に決定しました。これを契機に変化が起こってきました。

 ドイツのメルケル首相が、スペインのラホイ首相が首脳会談後の記者会見で、信用不安の解消に向け協力していく姿勢を強調しました。

 好転ではないですが、ヨーロッパ中央銀行は、政策金利については慎重な態度で、今の水準を維持し、変更する執拗はないと判断しました。

 スペイン、イタリアなどの国債が買われ始めました。

 当然のこと、株価が上昇しています。

 これらの動きを契機に、関連各国の状況が好転し、ヨーロッパ信用不安の払拭に繋がるということは、短期間にはムリでしょう。しかし、これが中国経済回復、日米にプラスというような善循環に繋がることを期待します。



【 注 】 タイトル横の日付は、ブログ掲載日


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■■【ヨーロッパ経済の読み方】ギリシャへの次の融資が行われるのか  時系列的に見ると理解が深まる

2012-12-05 09:38:04 | 知り得情報

■■【ヨーロッパ経済の読み方】ギリシャへの次の融資が行われるのか  時系列的に見ると理解が深まる

 最近の経済ニュースのエッセンスを、独断と偏見でもってまとめてみました。

◆ ギリシャへの次の融資が行われるのか 2012/12/06

 ギリシャが債務削減策の一環として、償還期限前ですが国債の買い戻し策を発表したのを受け、その状況次第で次の融資実行が正式に決まることになりそうです。

 スペイン政府が、経営が悪化した国内の銀行への資本注入を検討しています。ユーロ圏が新たに発足させた支援基金に対し、正式に支援要請を行い、最大で395億ユーロ(日本円で4兆2000億円余り)の支援を来週実行することを決めました。

 ユーロ圏の経済回復はまだ不透明ではありますが、改善の方向に動いていることは確かなようです。それが対円相場でもユーロが値上がりし始めていることにも現れています。

 ギリシャにしろ、スペインにしろ、国民の反発が和らがないと折角の策も実りません。


【 注 】 タイトル横の日付は、ブログ掲載日


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【日刊経営マガジン】 設備投資から観る日本の景気 今日の出来事、独善解説

2012-12-05 09:16:00 | ◇経営特訓教室

【日刊経営マガジン】 設備投資から観る日本の景気 今日の出来事、独善解説
icon30
 経営コンサルタント歴35年の経験から、

  ◇ 経営者・管理職の皆様
  ◇ 経営コンサルタントを目指す人
  ◇ プロの経営コンサルタント

の皆様に、時宜に即した情報を毎日お届けしています。

今 日 の 出 来 事

【今週の注目】ポイントを掴むと見えるものが異なってくる<o:p></o:p>
 漠然とものを見るのではなく、今何がポイントなのかを押さえてみると、それまで見えなかったものが「視える」ようになります。
                 今週の動きを、NHKニュース、日経サイト他を参照して、独断と偏見で項目を選んでみました。また
、最新記事を時系列的に掲載している【独り言】コーナーも併せてご覧下さると一層ヒントを得られやすくなります。

12月3日(月)
財務省:7~9月期の法人企業統計調査、10月税収実績、12月見込み財政資金対民間収支
                日銀:フィナンシャル・フォーラム(パリ・ユーロプラス主催)、中尾財務官・白川日銀総裁・ノワイエ仏中銀総裁・西村副総裁講演
                民間:10月鉄鋼輸出量、11月新車・軽自動車販売台数
アメリカ:10月建設支出、11月製造業景況感指数・新車販売台数
ユーロ圏:財務相会合

4日(火)
衆院選公示(投開票は16日)
                厚労省:10月勤労統計速報
                日銀:11月マネタリーベース、12月当座預金増減要因見込み
民間:長谷川同友会代表幹事記者会見
                欧州連合(EU):財務相理事会(ブリュッセル)

5日(水)

日銀:12月QUICK短観、西村副総裁金融経済懇談会記者会見
アメリカ:7~9月期労働生産性指数改定値、10月製造業受注、11月ISM非製造業景況感指数・全米雇用リポート

今 日 の 独 善 解 説
【経営コンサルタントの独り言】 
                 独断と偏見で、その日のニュースや話題などを、タイミング良く、できるだけ公平公正にお伝えしたいと思います。また、最後に私なりの私見も付けることがあります。読者の皆様からは「わかりやすい」をお褒めの言葉をいただいています。最新記事を時系列的に掲載しているまとめて【独り言】コーナーも併せてご覧下さると一層ヒントを得られやすくなります。

◆ 設備投資から観る日本の景気 2012/12/05

 財務省は、資本金1000万円以上の企業3万社余りを対象に、3か月ごとに「法人企業統計調査」を行っています。

                 7~9月期の企業の設備投資は、昨年同期比で2.2%のプラスで4期連続で増加と発表しました。設備投資の総額は8.8兆円です。

                 一見すると景気が回復基調にあるかのように聞こえますが、内容を見ると必ずしも楽観視できません。

                 スマートフォンに対応した投資や自動車メーカーで生産ラインの増設が主な動きで、その他においては世界経済の減速の影響で投資手控えが続いています。

                 しかも売上高は316兆円余りで、前年同期で4.4%のマイナスで、2期連続で減収となっています。

                 悲観的になりすぎる必要もなさそうなの面もあります。経常利益が前年同期比で6.3%増加し、3期連続の増益なのです。

となりました。全体的に見ると製造業、非製造業共に増加していることです。企業投資に対する姿勢に底堅さの一端が窺えるからです。

                 設備投資の伸び率は前期に比べて縮小していますし、ヨーロッパや中国など海外の経済環境は不確実性が高いですので、引き続き今後の動向には注意する必要があります。


【今月の独善解説】 ←クリック

◇ 11月下旬の世界動向を時系列で見る ←クリック
◇ 11月中旬の世界動向を時系列で見る ←クリック
◇ 11月上旬の世界動向を時系列で見る ←クリック

 10月下旬の世界動向を時系列で見る ←クリック
 10月中旬の世界動向を時系列で見る ←クリック
◇ 10月上旬の世界動向を時系列で見る ←クリック
◇ 9月後半の世界動向を時系列で見る ←クリック

icon22
【今日のブログ】 ←クリック

 本日お届けした、その他の記事が掲載されています。

今日は何の日
今日の出来事
今日の独断解説
必見経営情報

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■■【今日は何の日 経営ヒント】 犬公方様のお話

2012-12-05 07:05:37 | 知り得情報

■■【今日は何の日 経営ヒント】 犬公方様のお話

 経営コンサルタント歴35年の経験から、


  ◇ 経営者・管理職の皆様
  ◇ 経営コンサルタントを目指す人
  ◇ プロの経営コンサルタント


の皆様に、時宜に即した情報を毎日お届けしています。

icon22
【今日のブログ】 ←クリック

 本日お届けした、その他の記事が掲載されています。

     12月05日
 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31

■ 生類憐れみの令 

 12月5日は、犬将軍と言われる徳川綱吉が、生類憐れみの令の一環として、16万坪にも及ぶ犬小屋を作った日だそうです。東京の中野区に犬小屋が作られた時にその辺に済む住民が強制退去されたという記述が残っているそうです。

                 ところが、これだけを聞くと、大変迷惑な話であり、理不尽であるという思いがします。

                 経営コンサルタントというのは、一つの見方だけではなく、異なった視点でものごとを判断し、全体最適をめざす必要があります。

                 綱吉の時代と言えば17世紀後半に治世を取った人ですが、その頃というのは新宿ですら原っぱが広がる小さな宿場町です。ましてや中野というのは、新宿寄りもさらに西に位置しています。強制退去を命じられた人は、実は数人であったというのですから、被害は少なかったようです。

                 しかし、だからといって、横暴が許されるわけではないですよね。

 バミューダトライアングルの日

 1945(昭和20)年12月5日に、大西洋上で米軍機が突然消息を絶ったのです。ここは、フロリダとバミューダ島、プエルトリコの三点を結ぶ三角形の海域です。

                 以前から多くの船や飛行機がこの地域に入ると消息不明となり、魔の三角海域「バミューダトライアングル」と呼ばれるようになりました。

                 しかし、統計的に見て、この海域がとりわけ遭難事故が多いというのでは内容です。物語を面白く味付けるために作られて伝説のようです


今日は何の日
今日の出来事
今日の独断解説
必見経営情報

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

■■【経営コンサルタントの独り言】 杉浦日向子の江戸塾から今日を学ぶ

2012-12-05 07:04:00 | 【話材】 経営コンサルタントの独り言

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする