■■【日本経済の読み方】ようやく小型家電のリサイクル回収が始まる 近況のエッセンスをコンパクトにまとめました
◆ ようやく小型家電のリサイクル回収が始まる 2012/12/15
皆さんのお宅には、もう使わない小型家電がありませんか?
小型家電には、ほとんどが貴金属やレアメタルなどが含まれていて、「都市鉱山」と言われるほどのお宝なのです。ところが、その大半がリサイクルされず、無駄になっています。
これまで市町村ごとに許可が必要だった業者による回収を自治体の枠を超えて認める小型家電リサイクル法が来年4月に施行されることになります。
この実施により年間14万トンの製品の回収ができるようになると試算されています。対象となるのは携帯電話やデジタルカメラ、パソコンなど30の分野です。
使用済みとなった製品の約20%が回収されると採算がとれると環境省は算定しています。
この基本方針案は検討会で了承されてはいますものの、まだ国会を通過してはいません。このような法律が施行されないようでは、エコな国とはいえませんし、折角持っている資源のムダは許されないですね。
◆ 企業監査が強化の方向 2012/12/13
オリンパスや大王製紙など大企業の粉飾決算不祥事が続きましたが、これを受けて来年度決算から監査基準が強化されることになりました。監査基準が抜本的に見直されるのはおよそ11年ぶりのことです。
決算の内容に不正の疑いがある場合は、監査法人による抜き打ちの監査や経営者への聞き取りなど、企業の不正を防ぐための監査の強化策を盛り込んだ新たな基準案を金融庁がまとめました。
監査法人が交代する際には、後任に詳しい情報や資料を引き継ぎ、これにより継続的な監査態勢を維持できることになります。
◆ 景気ウォッチャー調査は改善 2012/12/12
日銀短観では、現状は悲観的、3か月後は回復という結果でしたが、内閣府の景気ウォッチャーでは4か月ぶりに改善の指数が出ました。
内閣府が全国の企業や小売店などの現場で働いている2000人余りを対象に、3か月前と比べた、働く人たちの景気実感を聞くのが「景気ウォッチャー調査」です。
改善要因としては下記が考えられます。
・寒い日が続いたことから、冬物の衣料品や鍋物用の食品の販売が増えた
・円高が一服して輸出産業の採算が改善した
・年末年始に向けて人材派遣の依頼が増えた
消費税率引き上げの駆け込み需要などに期待する声がありますが、海外経済の不透明感から必ずしも楽観は許されないと考えます。
◆ 日銀短観は悪化予測 2012/12/11
日銀の短観(企業短期経済観測調査)は、景気の状況を調べるため3か月ごとに行われ、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数値で示します。
発表された日銀短観では、自動車販売を押し上げてきた「エコカー補助金」が9月に終了したことや日中関係の冷え込み、世界経済が減速を背景に、前回調査より一段と悪化するという予測が相次いでいます。
一方、3か月後については、アメリカや中国の景気が回復するという見方から、大企業の製造業で平均マイナス9ポイントと、いくぶん改善するという予測になっています。
火力発電向けの天然ガスの輸入が引き続き伸びると見込まれます。日本の貿易収支は、来年度も6兆7900億円の赤字と、過去最大の赤字水準が続くという見通しです。
◆ 韓国大統領選は日本にとってどちらが良いのか? 2012/12/10
大統領選を日本の衆議院選挙と同日に控えている韓国です。竹島問題でもめている昨今の状況を考えるとどちらが選ばれた方が日本にとって良いのか、関心が高まります。
一本化された野党のムン・ジェイン候補は、3候補時代に比べると闘いやすくなったといえそうです。革新といえるほどではありませんものの、保守に対しては批判的です。
その現れの一つが北朝鮮問題です。ムン候補は北朝鮮との関係改善に積極的です。それに対してパク・クネ候補は慎重な姿勢を見せています。経済支援をしたからと言って北朝鮮の姿勢が変わるとは考えられないということです。
対日本への姿勢はどうでしょうか?
与党のパク候補は「過去を越えて未来を見通す幅広い考え方も重要だが、何よりも日本の正しい歴史認識が必要だ」と述べました。
野党のムン候補は「未来志向のパートナー関係に発展させていくが、過去の歴史問題には断固として対処しなければならない」と述べました。
二人とも日本との関係の重要性は理解していますものの、韓国民の感情を考えて対日姿勢は変わらないようです。
◆ 日ロ経済協力は進展するか 2012/12/08
NHKの石川一洋解説委員が、ロシア政府の実力者でありますシュワロフ第一副首相の来日に併せて、日ロ経済協力に関して解説していました。
最近のロシアの動き、特にプーチン大統領が変わってきたように目ます。その一つが今年の6月に開催された日ロ経済貿易委員会み見えます。
ロシア側代表が、プーチン大統領の信頼厚いシュワロフ第一副首相であったことに大きな意味があります。
シュワロフ第一副首相はプーチン大統領の信頼厚く、5年間その座にいて、経済の実務を取り仕切っているといえる実力者です。特に極東シベリア開発についてはどのプロジェクトに資金を投入、開発に、シュワロフ第一副首相が青写真を描くことになっています。
シュワロフ第一副首相が極東シベリア開発への日本との協力など日本との経済関係深化の責任者に任命されたことは、日本との経済協力へのプーチン大統領の意気込みを示しています。
日本の総理のロシア公式訪問準備の意味を持っています。
玄葉外務大臣は「エネルギー分野に関しては、価格競争力とタイミングを逸することなくプロジェクトを進めることが重要であるという指摘をし、当面ウラジオストクのLNGプロジェクトと東シベリアでの共同探鉱を進めていくということで一致している」い言っています
ロシア側は野田総理を招待していますが、これは日本の総理を招待しているという意味で、選挙の結果選ばれた日本の総理に早い時期にロシアを訪問してもらいたいというのがロシア側の立場です。そして今回のシュワロフ第一副首相の訪日はロシア側としては総理訪ロを含めて対日政策は継続するという意思を行動で示したものです。
シュワロフ第一副首相の訪日に先立ち、プーチン大統領が東シベリア・極東のエネルギー開発について重要な発表をしました。
まず来年からサハ共和国のチャヤンダガス田の開発から始め、ハバロフスクを経由してウラジオストクに至る全長3200キロメートルのガスパイプラインを建設、ウラジオストクを日本、中国、インドへのLNG輸出基地とするというのです。
日本市場のLNG価格は割高になっています。アメリカのシェールガス開発が進んだことから、ロシアが対抗的にコンサルタントプロジェクトを推進、日本に対して期待しているといえます。
◆ 中小企業円滑化法終了前に対策を 2012/12/04
中小企業で金融機関等からの借り入れをしていない企業は少ないと思います。
これまで中小企業向けの融資について返済の猶予などを促してきました「中小企業金融円滑化法」が来年3月に期限が切れます。その前に対策を打っておかないと資金繰りに影響が出る企業も多いのではないでしょうか。
茨城県に本店があります常陽銀行では、投資会社と共同で20億円規模のファンドを設立しました。このファンドでは、中小企業金融円滑化法に基づいて銀行から返済の猶予を受けている経営不振の企業向けの融資を、元本より安く買い取ります。
そのうえで、企業の赤字部門を売却するなどリストラをして経営を立て直したあと、再び銀行などに融資を売却する仕組みです。
ただし、どの企業にも提供されるのではなく、10社程度ですので注意が必要です。
たとえ10社であれ、金融機関がこのような動きをすることは好ましいことです。
他に北海道の北洋銀行、岡山県の中国銀行、広島県の広島銀行なども設立する動きがあります。
借入金の返済に窮している企業では、早速取引銀行に問い合わせてみてはどうでしょうか。
◆ 日本期待のレアアース工場が来春操業開始 2012/12/01
電気自動車などのモーターに欠かせないレアアースですが、生産の90%を超える中国が出し惜しみをしていることから、世界的にレアアースが逼迫していることは周知のことです。
オーストラリアの資源会社「ライナス」がマレーシア中部のパハン州に精製工場を建設し、操業を開始しました。
年間2万2000トンのレアアースを生産する計画で、当初の計画より1年遅れですが、早ければ来春にも日本への輸出が本格的に始まる見通しです。
計画より1年遅れたのは工場周辺の住民や環境団体が、放射性廃棄物などによって地域の環境に影響が出るとして、反対しています。その影響がでないことを期待します。
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