【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記 9月20日 1-03 「さん」づけ呼称と民主性 A705
平素は、私どものブログをご愛読くださりありがとうございます。
この度、下記のように新カテゴリー「【小説風 傘寿】 老いぼれコンサルタントの日記」を連載しています。
日記ですので、原則的には毎日更新、毎日複数本発信すべきなのでしょうが、表題のように「老いぼれ」ですので、気が向いたときに書くことをご容赦ください。
紀貫之の『土佐日記』の冒頭を模して、「をとこもすなる日記といふものを をきなもしてみんとてするなり」と、日々、日暮パソコンにむかひて、つれづれにおもふところを記るさん。
【 注 】
日記の発信は、1日遅れ、すなわち内容は前日のことです。
■【小説風 傘寿の日記】
私自身の前日の出来事を小説日記風に記述しています。
定例のミーティングの後の雑談で、スマホのラインの話がでました。
知人から来たメッセージに返信したら、「その様なラインは送っていない」と返事が返ってきたそうです。
では、だれが、そのメッセージを送ってきたのか、ミステリー
今日のオンライン・ミニ・セミナーでは、次のようなお話をしました。
■1-03 「さん」づけ呼称と民主性 A705
近年、企業において、役職名ではなく、「さん」付けをすることにより民主性を表現する企業が多くなりました。
福沢諭吉翁が「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」とおっしゃったことは有名であり、人間性を重視する観点からも、上司も部下も、皆人間であることには変わりがありません。
この視点からみても、社長以下の全社員が「さん付け」で呼び合うことは、民主的な人間関係を作る上において必要なことでしょう。
しかし、視点を変えてみてみましょう。
日本で最も早くに設立された経営コンサルタント団体であります、日本経営士協会では、会員同士を「さん付け」ではなく、「先生」という呼称を付けて呼び合っています。
本来、人間性を重視したコンサルティングをするためには、自分達自らが民主的な関係であることを表明するために、「さん付け」にすべきところです。ところが、同協会の伝統として、「先生」呼称が定着しています。
同協会は、「経営士・経営士補」という資格付与団体です。ところが、経験の浅い資格取得者は、「まだ、経験も浅いので、先生と呼ばれるほどのものではありませんので、先生と呼ばないでください」と言います。
一方で、経営コンサルタントとしての資格取得は、コンサルティング実践経験の浅い人にとりましては、中小企業診断士より難関な試験に合格した人達です。日本経営士協会というブランドを背負っているのですが、プライドを持ってよいはずです。また、プライドを正しく認識することにより、その資格のイメージも高まります。
自分では謙遜して「先生と呼ばれるほどの実績はありません」と言うことは、日本経営士協会の権威を低めることに繋がりかねません。
そこで、「先生」と呼び合うことにより、プライドを持ち、自分自身の責任を持った言動を採るという意識付けをするためにも「先生呼称」は、効果があるのです。
すなわち、先生という呼称により、協会会員としてのプライドを持たせ、さらなる成長を自認させることに繋がることから、伝統的にこの様なことを行っているのです。
これは、経営コンサルタント団体という、「意識付け」ということを目的とした、特殊な組織におけるお話です。
一方で、経営コンサルタントとして企業を訪れた時に感ずることの一つが、「組織で動く」ということができていない企業が多いことです。
組織を活かした動きになっていないという背景には、「組織で動く」、すなわち、組織力を活かすということを理解できていないで、その発想がない企業が多いのです。
その様な企業で、「民主的だから、“さん付け”で呼び合おう」ということは、正しいやり方なのでしょうか。
組織的な動きをしている企業というのは、目標が明確で、その目標に向かって、全社員の言動のベクトルがおおむね揃っています。ところが、そうでない企業では、まず、組織で動くということを意識付けするために、「管理とは何か」「管理職とは何を、どの様にする人か」というようなことを、体に染み込ませることが必要です。
その一環として、管理職を、役職名で、たとえば「課長」とか「○○部長」というように呼ばせて、組織とは何かを意識付けさせることが必要なのです。
多くの方が、そこまでする必要があるのか、それで効果があるのかと懸念されますが、「組織で動く」というような抽象的なことを、経営管理の基本として認識させるためには必要なことなのです。
ものごとは、一面的に見るのではなく、多面的に見ることにより、それまでとは異なる適正性・不適正性がみえてきます。
■【今日は何の日】
当ブログは、既述の通り首題月日の日記で、1日遅れで発信されています。
この欄には、発信日の【今日は何の日】と【きょうの人】などをご紹介します。
■【経営コンサルタントの独り言】
その日の出来事や自分がしたことをもとに、随筆風に記述してゆきます。経営コンサルティング経験からの見解は、上から目線的に見えるかも知れませんが、反面教師として読んでくださると幸いです。
■ 京都五山をご存知ですか? 920
鎌倉に五山がありますが、五山の制度は鎌倉時代末期に北条氏が中国・南宋の五山の制度を取り入れ、鎌倉の禅宗(臨済宗)の官寺としての寺格制度を選んだことに始まります。
これに習い、京都五山が定められました。
第一位 天龍寺
第二位 相国寺
第三位 建仁寺
第四位 東福寺
第五位 万寿寺
あれ?
金閣寺や銀閣寺が入っていないではないですか?
金閣寺、すなわち鹿苑寺は、臨済宗相国寺派の寺の一つですので、格が一段低いことになります。慈照寺である銀閣寺も同じ格となっています。
五山制度は、禅宗(臨済宗)の寺院が対象ですのに、上記のリストから南禅寺が漏れています。
しかし、ご安心下さい。南禅寺は、「別格」扱いで、五山の上位に位づけられています。
私は、京都の禅寺の格付けとして紹介していますが、それは正しい見方とは言いがたいのです。
なぜなら、その時の政権が定めましたので、政略的な判断による格付けなのです。
足利義満は、相国寺を第一位、天龍寺を第二位とする順位変更が行われたことがあります。
同様に大徳寺や妙心寺は格下げされてしまいました。
格付けといいましても、判断基準が明確ではありませんので、順位はともかく代表的な禅寺であるという目安としてみてはいかがでしょうか。
たくさんあるお寺さんの中から参拝先を決めるときの参考程度に、私は考えています。
私は、京都五山の中でも相国寺が好きです。
相国寺
金閣寺 銀閣寺
天竜寺 東福寺
■【小説】 竹根好助の経営コンサルタント起業
「【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記」から独立して、最初から発信していたします。
私は、経営コンサルタント業で生涯現役を貫こうと思って、半世紀ほどになります。しかし、近年は心身ともに思う様にならなくなり、創業以来、右腕として私を支えてくれた竹根好助(たけねよしすけ)に、後継者として会社を任せて数年になります。
竹根は、業務報告に毎日のように私を訪れてくれます。二人とも下戸ですので、酒を酌み交わしながらではありませんが、昔話に時間を忘れて陥ってしまいます。それを私の友人が、書き下ろしで小説風に文章にしてくれています。
原稿ができた分を、原則として、毎週金曜日に皆様にお届けします。
【これまでお話】
エピローグは、主人公である竹根好助(たけねよしすけ)の人柄を知る重要な部分でした。
親によるある教えで、超一流ではないものの上場商社に入社した竹根の若かりし、1ドルが360円の時代でした。
入社して、まだ1年半にも満たないときのことです。アメリカ駐在事務所を開設するという重大発表がありました。社内では、誰が派遣されるのか話題沸騰です。若輩の竹根は推理小説でも読むような気持ちで、誰が選ばれるか、興味津々で推理を働かせました。
一方、竹根の信条のひとつに「サラリーマンとしての心得のひとつとして上司からの命令には逆らうなというビジネス書の教えをかたくなに守ってい」という頑固というか、意志堅固なところがあります。
人事というのは、競馬の予想のような下馬評が走り回るのがサラリーマン世界の常です。そのような中、トップ間での人選は進みます。角菊事業部長は、自分の推薦順位の高いものから三名のリストを福田社長に提出するのですが、福田の顔はさえません。角菊には、福田の腹の内を読めないでいます。
<続く>
【バックナンバー】
■【老いぼれコンサルタントのブログ】
ブログで、このようなことをつぶやきました。タイトルだけのご案内です。詳細はリンク先にありますので、ご笑覧くださると嬉しいです。
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