【ナレーション付き映像で見るカシャリ!ひとり旅】 京都市 桂離宮庭園 源氏物語の舞台といわれる、観月でも知られる、皇室ゆかりの建物と庭園
今回は、「桂離宮庭園」を紹介します。
桂離宮は、京都市西京区、桂川西岸にある、建築群と庭園から構成される皇室関連の施設です。
17世紀、江戸時代初期に、皇族の八条宮家・初代の智仁親王により基礎が築かれ、宮宅(みやたく)の別邸として創設されました。ちなみに、智仁親王は、正親町天皇の皇孫で、後陽成天皇の弟に当たります。
総面積は、付属地を含め約6万9千平方メートルです。うち庭園部分は約5万8千平方メートルです。
離宮とは、皇居とは別に設けた宮殿のことですが、「桂離宮」と呼ばれるようになったのは、明治16年(1883年)に、宮内省所管となってからのことです。それ以前は「桂別業(かつらなりどころ、べつぎょう)」と呼ばれていました。
桂離宮のあるあたりは、古くから貴族の別荘地として知られていました。平安時代には、藤原道長の別荘である桂殿が営まれていたと伝わっています。源氏物語の「松風」帖に登場する光源氏の「桂殿」は、この地にあったという設定です。
桂離宮のある、この地は、古くから、風流な観月の名所としても知られていました。そもそも、桂離宮には、観月のための装置という意味合いがあるのです。
桂離宮は、観月のための場所だけではなく、池での舟遊びの場でもあります。また、庭に点在する茶屋を用いての茶会や酒宴をはじめとした、さまざまな遊興や行事の場でもありました。
桂離宮には、造営当初の庭園と建築物が残されています。当時の朝廷文化の粋を今日に伝えています。回遊式の庭園は、日本庭園の傑作といえます。31分 4363-11京都桂離宮公開用3104