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■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 滞在型農家体験で地域を活性化 9b13

2020-01-24 12:03:00 | 【経営】 成功企業・元気な会社

■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 滞在型農家体験で地域を活性化 9b13

 経営コンサルタントを40年余やってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。

 成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。

 また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。

■ 滞在型農家体験で地域を活性化 9b13

 

 関東平野の北部、中山間地域に位置する栃木県太田原市はコメ、ネギ、果実類などの農業が盛んで、限界集落も少なくない。だが、この地では農家民宿が盛んで、研修の会社員や合宿の中高校生、訪日外国人など1日平均30人、年間約1万人が国内外からやってくる。仕掛け人は大田原ツーリズム(栃木県大田原市)の藤井大介代表取締役社長だ。

 元大手自動車メーカーの技術者で農村DMO(観光地経営)に詳しい藤井氏は2012年7月、地域活性化を図りたい地元行政の要請で官民共同の第3セクター方式で同社を設立。同年10月に旅行業免許を取得して滞在型の農家体験の提供を始めた。設立当初はゼロだった農家民宿に賛同する農家はいま170軒、年間のべ5000泊を提供している。

 藤井氏は現地にある「人」と「資源」を活用して蕎麦打ち、渓流釣り、田植えなど120種の体験型プログラムを用意した。雑草が生い茂る里山で早さや面積を競わせる「下草刈競争」を実施する。参加者は達成感が得られ、里山は再生し地元にも感謝される。廃校になった小学校の校庭で運動会も実施した。

 成功のコツは、地域の人たちとのコミュニケーションを密にしたこと。同社の役員8人には大田原市、観光協会、地元のテレビ・ラジオ局の関係者が名を連ねており、彼らを巻き込んで「自分も関わっている感」を醸成した。業務を遂行する人材を育成していることも大きい。従業員17人のうち2人が外国人だが、きちんと就労ビザを取得したホワイトワーカー240人の応募中120倍の倍率を突破した優秀な人材という。

 客の約2割は訪日外国人だ。裏山に登り、神社に参拝し、寺院で座禅を組む。作物の収穫を体験し、取れたて野菜の美味さに驚き、農家の「横にスライドするドア」のある畳部屋に泊まる。もてなす側の農家はシニア世代が多いが身振り手振りで意思は通じる。ひとつ屋根の下で数日間過ごすうち「自分の家族のような」情が湧く。日程終了で別れるときは双方とも涙のハグだ。帰国した人から結婚式に招待されて80代の夫婦がブータンへ初めての海外旅行に出るなど、個人的交流も進んでいる。

 訪れる人は「本来の日本」を体感してリフレッシュし、受け入れ側は地元の農産物や商品のブランド化が図れ、宿泊費を得ることで所得も伸びる。藤井氏は「日本はホテルの中に寝室、レストラン、温泉、土産物など全てを揃えたがるが、海外では宿泊は農家、食事はレストランへと街中へ誘導することが多い。日本でも街歩きが楽しいしくみを作れば地域はもっと活性化する」と話している。

 

  出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成

 

 
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