■【あたりまえ経営のすすめ】2部 管理編2-33 リーダーシップを発揮するための論理思考や管理会計活用のスキルを磨く
多様化の時代になり、ホンモノ智恵が求められる昨今です。
世の中には、「専門家」とか「プロ」と呼ばれる人が多数いらっしゃいます。
ところが、残念なことに、その大半というのが、「エセ専門家」「エセプロ」なのです。
管理職も、“真”のプロ管理職にならなければなりません。
ホンモノのプロ、要は「“真”のプロ」とは、どの様な人を指すのでしょうか。
エセプロの多くは、「あたり前のことが、あたり前にできる」ということを軽視しています。
「今の時代、最新の経営理論に基づく経営が重要である」と「あたり前」を蔑視をしている人もいるほどです。
では、「あたり前」とは、なんでしょうか?
「“真”のあたり前」を知らずして、あたり前を軽視して欲しくないですね。
あたり前は、その辺に転がっているのではなく、「あたり前は創るもの」です。
1970年代から、半世紀近くの経営コンサルタント経験から、最善の策ではないにしても、ベターな策を講じるための智恵をご紹介してまいります。
■ 2部 【管理編】 プロの管理職のあり方
本シリーズは、経営士・コンサルタントなどの経営専門業・士業の先生方を対象として、第1部の【経営編】をお送りしてきました。しかし、その内容は、視点を変えれば経営者・管理職のためのお話でもあります。ビジネス界においては、フレキシブルな視点の持ち方をできる人が高く評価されるのです。
筆者は、経営コンサルタントという仕事柄、しばしば管理職研修も実施してきました。その時に、必ずといって問うことは、「管理とは何でしょうか?」ということです。
管理職の皆さんは、よく勉強していて、私より立派な回答が返ってきます。
「では、それをどの様に実務に活かしていらっしゃいますか」と問いますと、期待するような回答が返ってきません。
難しいことを勉強しすぎているのではないでしょうか。知識と実務が乖離していますと、せっかくの知識が知恵として活かせません。
管理職として、「あたりまえ」なことが、実務で行われているのかどうか、謙虚に自分自身を見ることも大切なのではないでしょうか。
管理職は、「管理とは何か」「温かい管理」を正しく理解しなければ、部下からも、上司からも、社会からも正しく評価されません。
温かい管理とは https://blog.goo.ne.jp/keieishi17/e/8b7833c2ebc019660a3813e9dedbf92f
ここでは、管理職なら誰もが知っているようなことを整理してみました。
知識としてはご存知のことでしょうが、それを実務に活かすにはどうしたらよいのかを考えてくださる契機となると幸いです。
■ 第2部2章 プロ管理職のリーダーシップ
私達は、ひとりでは生きていくことはできません。社会や組織に所属して、他の人と共に力をあわせることが、近道といえます。そこに求められるのが、「リーダーシップ」です。
管理職だけではなく、ビジネスパーソンにはリーダーシップを取れることが、成功への近道であり、自己実現には不可欠といっても過言ではありません。では、ビジネス界におけるリーダーシップとはどのようなものなのでしょうか。原点に戻って、再度考え、新たな気持ちでチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
■ 2-33 リーダーシップを発揮するための論理思考や管理会計活用のスキルを磨く
前項では、リーダーシップを発揮するためには、目標・目的意識を持ち、問題発見・課題解決への取り組みを行う貯めに決断力や行動力が必要である旨を記述しました。
ここでは、それをスムーズに進めるために必要な能力やスキルについてお話します。
◇ 論理的に話して、納得を得る
リーダーは、多くの場合に、複数の人を相手にリーダーシップをとることが多いです。そのためには、一人一人がリーダーの考え方を理解し、自分の任務・役割に納得できていなければなりません。
口がうまいだけのリーダーでは、すぐにメッキがはげてしまいます。
プロジェクトの目的とその背景や理由や、何を、どこまで求めているのかが明らかでありませんと、指示・命令を受ける側は、どの様に判断して良いのかわかりません。どの様な障壁が懸念され、どのくらいの経営資源の投入が必要か、時間的猶予や緊急度等々、それを受ける側の立場に立った話し合いが必要となります。
それらが、順序だって話される場合と比べて、主語や目的語など重要な要素を含まない、中途半端で、抽象的な指示・命令では、受ける側が判断に窮したり、その判断がリーダーと行き違っていたりしては、好ましい結果には至らないでしょう。
論理的思考力が、ある人とない人との差は、結果で大きく異なってくるかもしれません。それでは、リーダーとしても困るでしょう。リーダーが求める成果物を得られるような仕事の進め方が求められることはいうまでもありません。
論理的思考力といいましても、いろいろとあります。
論理思考が苦手だといわれます日本人にとりましては、グローバル経済の下では、身に付けなければ単一民族の世界でも生きて行かれません。
私達にとりまして、論理思考におきましては、ロジカル・シンキングが最も身近な存在といえます。ロジカル・シンキングは、論理的思考を養うスキルでありますと共に、論理思考を展開するためのスキルでもあります。
このロジカル・シンキングをベースに、現状など、課題や状況を鵜呑みにせず、そこに疑問を持って取り組むときに使われるのがクリティカル・シンキングです。
論理的思考力は、生まれながらに身に付けている人もいますが、ダイヤモンドと同じで、磨かないと光りません。逆に、論理的思考力を持っていない人でも、それを利用しながら、論理思考を身につけて行くことが可能です。
経営コンサルタントなど専門業務・士業の先生だけではなく、ビジネスパーソンにも不可欠なスキルといえます。
◇ 管理会計思考でデータと情報でリーダーシップをとる
本屋さんのビジネス書コーナーに行って、管理会計関連の書籍を探しますと、すぐに見つかるほど多くの書籍が出版されているのがわかります。それだけ、管理会計に対する関心が高いのですね。
ところが、アカデミックな書籍が多く、これらの本を読んで実務に使いこなせる人や企業がどの程度いらっしゃるのか心配になります。
管理会計は、研究開発から、営業、アフターサービス部門まで、企業のあらゆる分野で利用できます。それは財務分析や営業業績管理、開発部門のスケジュールや開発費管理など幅広い業務で利用できます。
ところが、大半の企業で、管理会計は導入してはいますものの、それを充分に活かし切れていません。管理会計に対する基本姿勢や捉え方が、実務とかけ離れてしまっているのです。
管理会計は、温かい管理で、活かされやすいのですが、温かい管理も定着していないがために、上司が部下の尻をたたく道具というような認識が高いのです。
まず、「管理会計が目指す末広がり八項」を理解してから、管理会計に取り組んでいただきたいと思います。(詳細は当該項をご参照ください)
<続く>
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