このところ化学カテゴリーの話を全然書きませんでしたが、先日やや胃の調子が悪くかみさんのH2ブロッカーを飲んでみました。
これはヒスタミンの受容体の一つのH2にヒスタミンの結合を妨げる薬ですので、その元のヒスタミンについて書いてみます。
ヒスタミンは生体内アミンの一種で、イミダゾールという環にエチルアミンが結合した非常に簡単な構造を持っています。これは体外から取り入れるわけではなく、必要に応じて体のいろいろな部分で合成されます。主な合成ルートは、必須アミノ酸であるヒスチジンの脱炭酸反応です。
このヒスタミンの生理作用は、かなり複雑でまだわかっていない部分もあるようです。体内のいろいろなところにこのヒスタミンが結合する受容体が存在し、H1からH4が知られています。このうちH1受容体がアレルギー疾患にかかわっています。
タイトルにアレルギーの源がヒスタミンのように書きましたが、これはあまり正しくありません。本来のH1受容体を介したヒスタミンの働きは、体内に入ってきた異物を排除する手助けをするもので、免疫システムとともに有害物質から体を守るという重要な働きをしているのです。
ところが花粉症のようなアレルギー疾患になると、本来体にとって有害ではない花粉に免疫システムが過剰に反応し、ヒスタミンも合成され、H1受容体に結合するため、その作用であるくしゃみや鼻水、涙の分泌が促進されてしまうわけです。そこでこのH1受容体と結合して、ヒスタミンの結合を阻害するような薬がH1ブロッカーで、花粉症などの大部分の抗アレルギー薬がこういった作用で、症状を抑えているわけです。
同じような作用がH2受容体でもあるわけです。H2受容体は消化管粘膜などに主に存在し、ヒスタミンが結合することにより胃酸が分泌されます。これによって食べたものが効率よく消化されるわけで、体にとって必須の作用といえるわけです。ところが胃のコントロールがうまくできないような病気になると、胃酸分泌の作用が強くなり、胃酸過多症や胸やけなどの症状が出てしまいます。これを抑えるのがH2ブロッカーということになるわけです。
このようにヒスタミンというのは、体にとって重要な役割を果たしているのですが、その働きを抑えることで治療薬になるというのも面白いことだと感じています。そのほか神経系に関与するH3受容体もあり、これもアドレナリンの分泌などにつながり、神経系を正常に保っているようです。
ヒスタミンは簡単に代謝され、イミダゾール酢酸として排出されていますが、こういった簡単な物質でも生命活動に役立っているというのは面白いことです。
これはヒスタミンの受容体の一つのH2にヒスタミンの結合を妨げる薬ですので、その元のヒスタミンについて書いてみます。
ヒスタミンは生体内アミンの一種で、イミダゾールという環にエチルアミンが結合した非常に簡単な構造を持っています。これは体外から取り入れるわけではなく、必要に応じて体のいろいろな部分で合成されます。主な合成ルートは、必須アミノ酸であるヒスチジンの脱炭酸反応です。
このヒスタミンの生理作用は、かなり複雑でまだわかっていない部分もあるようです。体内のいろいろなところにこのヒスタミンが結合する受容体が存在し、H1からH4が知られています。このうちH1受容体がアレルギー疾患にかかわっています。
タイトルにアレルギーの源がヒスタミンのように書きましたが、これはあまり正しくありません。本来のH1受容体を介したヒスタミンの働きは、体内に入ってきた異物を排除する手助けをするもので、免疫システムとともに有害物質から体を守るという重要な働きをしているのです。
ところが花粉症のようなアレルギー疾患になると、本来体にとって有害ではない花粉に免疫システムが過剰に反応し、ヒスタミンも合成され、H1受容体に結合するため、その作用であるくしゃみや鼻水、涙の分泌が促進されてしまうわけです。そこでこのH1受容体と結合して、ヒスタミンの結合を阻害するような薬がH1ブロッカーで、花粉症などの大部分の抗アレルギー薬がこういった作用で、症状を抑えているわけです。
同じような作用がH2受容体でもあるわけです。H2受容体は消化管粘膜などに主に存在し、ヒスタミンが結合することにより胃酸が分泌されます。これによって食べたものが効率よく消化されるわけで、体にとって必須の作用といえるわけです。ところが胃のコントロールがうまくできないような病気になると、胃酸分泌の作用が強くなり、胃酸過多症や胸やけなどの症状が出てしまいます。これを抑えるのがH2ブロッカーということになるわけです。
このようにヒスタミンというのは、体にとって重要な役割を果たしているのですが、その働きを抑えることで治療薬になるというのも面白いことだと感じています。そのほか神経系に関与するH3受容体もあり、これもアドレナリンの分泌などにつながり、神経系を正常に保っているようです。
ヒスタミンは簡単に代謝され、イミダゾール酢酸として排出されていますが、こういった簡単な物質でも生命活動に役立っているというのは面白いことです。