内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

雨の中を歩く

2022-04-08 23:59:59 | 雑感

 今日から二十五日まで、原稿執筆に集中したい。その間、このブログは取り留めのない日常雑記になる。
 今日は朝から夕方までずっと雨が降っていた。珍しいことだ。毎日走っているからわかるのだが、昨年七月から、雨のせいで走るのを止めた日は片手でかぞえるほどしかなかった。今朝は、小降りになったら、大学まで自転車で行くつもりだった。でもそうはならず、路面電車で出かけた。これも年に数えるほどしかないことだ。
 昼過ぎ、授業とオフィスアワーを終えて、教員室の窓から空を見上げると、雨雲に覆われたまま。キャンパスを見下ろすと、傘をさしている人もいれば、傘なしで歩いている人もいる。外に出る。けっこう雨脚が強い。帰りも路面電車を使おうと最寄り駅まで歩く。
 でも、電車を待っているうちに、歩いて帰ろうという気になった。昨年来、最初はウォーキング、そしてジョギングと、ほぼ毎日運動を続けてきたおかげだが、急ぎでもないかぎり、かなり遠い距離でも歩くのが苦にならなくなった。いや、楽しいとさえ言っていい。電車に乗って、ぼーっと立っていたり座っていたりするのは、むしろもったいないと思ってしまう。別に電車賃が惜しいわけではない。せっかく歩けるのに、移動する「箱」のなかでじっとしているのが時間の無駄遣いに思えてしまうようになったのだ。
 私は傘が嫌いだ。片手が塞がり、両手を振ってバランスよく歩けないからだ。傘はほんとうに鬱陶しい。それでも、左右交互に持ち替えながら歩いているうちに、これも腕の運動だと思い直す。傘に当たる雨音に耳を傾ける。増水して流れが波立っているリル川を眺めながら、欧州議会の方へと歩く。自宅に帰り着くまでに約五キロ歩いた。靴の中まで雨が染み込んで、靴下はびしょびしょ。
 でも、気分は悪くない。