
昨日に比べて、いくらか暑さは和らいだが、
相変わらず真夏日の蒸し暑さが続いている。

時々日差しが戻ると、辺りが照り返しの熱気で包まれる。
近ごろは野菜や果物の売り場で、旬を感じることが
少なくなっていくような気がする。
その一方で、夕張メロンや安納芋、三ケ日みかん、
飛彈トマトなど、地域ブランド化も進んでいる。

季節を感じ、自然の中で育った初物を味わう感動もなく、キュウリや
トマト、リンゴやメロンなどは年中出回っている。
桃太郎トマトに代表されるように、形が均一で
見た目が良い野菜や果物に人気が集まる。
その一方で、在来種の風味や旨味が消えた
と言う声も聞く。

本来トマトの形は不揃いで不恰好、赤と緑の色むらや干割れもあったが、
独特の青臭さと甘酸っぱさは忘れがたい味わいだった。
きゅうりも曲がってトゲも鋭く、ヘタの部分に苦味があって、
歯ごたえがよく土と太陽の匂いを感じた。
品種改良と野菜工場的な生産技術で、きれいな姿になったが、
在来種の風味や美味さが失われたように思う。
今や自然の恵みは死語になり、技術開発の恵みを
享受する時代になったようだ。

糖度が高く、姿や形の良い果物や野菜は値段が高くて、日常は口に
できないが、たまの頂き物に感謝して味わっている。