ホテルの部屋から
ミステリーツアーの二日目もミステリアスな旅となった。
昨夜の「とあるホテル」は、紀州南部ロイヤルホテルで、秘密の?湯露天風呂は、備長炭で黒く染まった湯で、肌はしっとりすべすべになるとのことだが、果たして効果のほどは・・・
今日の最初の立ち寄り先は、坂本冬美がデビュー前に働いていた梅干工場の見学。 試食で塩分をたっぷり補給して暑さに備えた。
次は「鉄道マニア必見の人気ローカル線2つの乗車」のうたい文句につられて乗った紀州鉄道は、終点の御坊まで僅か2.7キロの、日本一短い鉄道とか。
無人の駅舎は天井のベニヤが剥がれ落ち、線路はぺんぺん草が生え放題で、ローカルムードは満点だった。
冷房の無い車内は蒸し風呂状態で、10分足らずの乗車は苦行そのものだ。
もう一つは、廃線予定が猫駅長の人気で甦った、貴志川線に乗車。和歌山駅から30分かけて終点の貴志駅まで乗車して、「たま駅長」に会いに行った。
ガラス張りの小さな駅長室に閉じ込められた駅長さんは、ご機嫌斜めで、隅に隠れて不貞寝をしていた。
起き上がった一瞬を捉えて、人ごみを掻き分けてパチリ!
あまりの人だかりと、カメラの放列に怯えてストレスもたまっている様だ。
わざわざローカル線に乗って会いに来たのに、不貞寝の猫では、こちらのストレスがたまる。
気分直しに立ち寄った「和歌山マリーナシティ」は、ちょっとうらぶれムード漂うテーマパークで、その一角にある「黒潮市場」で、お土産を買ったり、名物和歌山ラーメンを食べたりして時間をつぶした。
次の和歌山城は、平城宮に勝るとも劣らない大汗かきコースで、天守閣への長い石段や坂道は、真夏のような陽射しで汗が滴り落ちた。
ミステリーの最後の極めつけは、九度山の戦国武将真田昌幸・幸村ゆかりの尼寺「真田庵」の参拝である。
瀬戸内寂聴風?の庵主さまの説法が始まって、手相人相から世相の予言や方位干支占いまで、延々と聞かされた。
宝物殿では、真田親子のゆかりの品などを、眉に唾を付けながら拝観して、ごっちゃ煮ツアーの予定コースが終わった。
予め行程が分かっていれば行く気にならないコースでも、参加者が多いのはミステリーたるゆえんと理解した。
このOB会はいつも非日常的な体験をさせてくれる。