昨日の取り入れ作業は、迫る夕暮れと追い駆けっこでピッチを上げたが、つるべ落としに負けてしまった。
夜になって雨が降り出したので雨合羽を覚悟していたが、朝になったら雨も上がり時々薄日が差していた。
台風17号が北上中で、東海地方に接近する恐れがあると報じていたが、午前中はそんな兆しは感じられないほど穏やかな天気だった。
午後からは雨と予報が出ていたので、昨日の残りの稲束を一輪車で運び、稲架(はさ)に掛けていった。
稲架の向きは場所によって、朝日と夕日を受ける向きや、南向きなど早く乾く方向を選んで決めている。
ここは田んぼの下を渓谷が東から西に流れていて、それに沿って風も流れるので、稲架も同じ方向に立てている。
太陽以外に風の通り道を利用しているが、谷や山が風向きや速度を変えるので、位置を決めるのは経験がものを言うようだ。
太陽の向きを優先した稲架で、山風をまともに受ける所では風を逃がす隙間を作っている。
それでも強風によって稲架が倒壊することもあるので、台風は要注意である。
お昼前に稲架掛けを済ませて落穂を拾い集め、資材の後片付けが終わったところで雨が降り始めて、滑り込みセーフで間に合った。
午後になって雨足が速くなり、途中で作業を切り上げた人もいたが、午後5時現在、風はそれほど強く吹いていない。
思い起こせば、田植え後の遅霜や低温で伸び悩んだ苗も、その後の好天で順調に育ち、イノシシの侵入も目立った病害虫の被害も無く良い作柄になった。
炎天下の田の草取りも辛かったが、黄金色に稔った稲を見るとそれも忘れてしまう。
一喜一憂の米作りであったが、最後の試練の台風も、何とか無事に通り過ぎてほしい。
天気にもよるが10日前後乾燥をして、脱穀機で稲こきをすれば籾になる。
あとはコイン精米所で籾摺りと精米をすれば、晴れて新米のご飯がたらふく食べられる。