今朝見かけた草にご(刈り草を積み上げたもの)は、ベレー帽をかぶった人の顔に見えた。
今は余り見かけなくなったけど、文士とか文化人や、ちょっとおしゃれな人がよくかぶっていた。
なぜかこの風景を見て、晩年の永井荷風を思い出した。
札幌の雪まつりや雪国で行われるイベントで、見事な雪像や建造物を目にするけど、ここでも屋根の上や木の枝、山に積もった雪が美しい造形を見せてくれる。
雪形、風紋、霧氷など、自然がなす芸術作品を再現することは難しい。
今日は朝から時々青空が顔を出す、穏やかな天気になった。昨夜降った雪が木の枝に残り、朝日にキラキラ輝いてきれいだった。
散歩の帰りに、少し雪も締まっていそうなので裏山に登ってみた。昨日積もった分だけ沈む程度で、短足のユキ(柴犬)でも難なく登っていく。
ようやく屋根の上まで日が射すようになったので、これからは屋根の雪も早く融ける。来月になれば、部屋へも日が入るようになるので、それが一番待ち遠しい。
昼食を終わった頃から雲行きが怪しくなり、間もなく小雪が舞ってきた。山里特有の変わり易い天気は、一瞬の晴れ間を残しただけで、明日からまた雪の日が続くようだ。
奥飛騨温泉郷までドライブをしてきた。昨日からの雪が降り続いていたけど、平湯へ着いた時は雪も止み、青空が少し見えてきた。まだ時期が早いかと思っていた平湯大滝も、ほぼ全面結氷した滝つぼは蒼氷で盛り上がり、飛び散った水滴は岩肌や木の枝で光ってた。
蒲田川沿いのビュースポットへ来た時には、空は晴れ上がり白銀に輝く槍ヶ岳や穂高岳の眺望を楽しむことが出来た。帰途に付く頃は雲に覆われ、雪がまた降るという目まぐるしい天気に、一喜一憂するドライブであったけど、遠来の友人ともども、このラッキーな一瞬に歓声を上げた。
今朝は、家中のガラス戸に氷の花が咲き、大寒の夜の寒さを味わった。
居間だけは暖かいので、窓の下部に結露が凍って氷の塊が出来ていたけど、使わない部屋は色々な模様の結晶が張り付いていた。星や花びら、針葉樹など形は様々だけど、いずれも白く尖った冬の花は、「触れたら刺すぞ」と、厳しい表情をしている。
ガラスの温度がマイナス10℃ほどになると、空気中の水分がそこに触れて小さな氷の結晶となり、次々に付着して成長していく。もっと冷えるとダイアモンドダストが舞う。 先日は名古屋で桜の花を見たけど、ここでは氷の花がしばらくは楽しめる。部屋の中で冬の蛍だけは見たくないけど・・・
堀川の納屋橋付近が少しずつ整備されて、両岸には遊歩道も完成した。
その一角で四季桜が咲いていた。
桜の木はそれほど大きくないので、広小路通りを歩いている人で気が付く人は少ない。
堀川浄化に取り組み、20歳の若さで亡くなった「山中さくら」さんの遺志を受け継ごうと、5年前に植えられた。
私は、堀川の直ぐ近くで育ち、子供の頃は堀川を遊び場にしていた。
当時、両岸にはびっしりと筏が繋がれ、何度もそこから落ちて、親に叱られたことを思い出す。
都心を流れる川は、その頃も今もどぶ川で、浄化運動が官民あげて取り組まれているが、成果がいまだに見えない。
道路や町並みがきれいに整備されていく姿を見て、どぶ川の河畔に咲く桜が浄化を訴えているようだ。