天気予報通り朝から雨が降り続き、近くの山も霞んで見えない。
乗鞍スカイラインか、上高地あたりの観光を計画していたが、
いずれのコースも見合わせ、朝寝と朝風呂を楽しんだ。
温泉と宿の料理は堪能できたので、帰途は郡上市美並町の
円空街道を通って星宮神社訪れることにした。
平安時代から山岳信仰や修験道が盛んで、星宮神社はその中心であった。
円空は、その別当寺である粥川寺で、得度し仏門に入ったと言われる。
ここの寺社には神仏習合が色濃く残っている。
↑星宮神社参道
美並は円空生誕の地という説もあり、あちこちに遺跡が残っている。
雨の合間を縫って遺跡を訪れたが、円空洞への小道は雑草に
覆われていて、途中で退散した。
円空岩はここに篭って仏像を彫り、食糧が尽きると仏像を川に流し、
見つけた里人が米や味噌を届けたという。
円空岩への小径も険しくじめじめしていて、手を山ヒルに咬まれていた。
矢納ヶ淵は藤原高光が鬼退治に使用した矢を納めたとされる淵で、
粥川の流れはエメラルドグリーンに輝き神秘的だった。
鬼退治に案内をしたのが粥川に棲む鰻で、ここの住民は今も鰻を
保護し食することはない。
円空の森水は名水として名高く、遠くから汲みに来る人も多い。
短時間で回り切れなかったが、歴史と伝説が入り混じるこの地に
興味が湧いてきた。