
昨夜泊まったホテルは、ロビーや部屋から鳥羽湾が一望できる
高台に建つていた。


日が暮れると、真珠いかだがライトアップされ、幻想的な風景を
見せてくれた。

今朝はやや雲が多かったが、まずまずの天気で眼前の三ツ島や奥の答志島や
菅島がくっきり見えた。

宿を出て鳥羽城跡を訪れた。

石垣の脇の急な階段を本丸目指して上っていく。

本丸広場には津波避難所が設置されているので、頑丈な石段と金属製の手すりが
取り付けられている。

天守閣跡は野面積みの石垣が、わずかに当時の面影を残している。

本丸跡は以前鳥羽小学校のグランドとして利用されていたが、発掘調査の結果
本丸御殿や大井戸、排水溝などの遺構が見つかっている。

城跡から見下ろすと、鳥羽水族館や御木本真珠島、答志島などが見える。
この城は九鬼水軍を率いた九鬼嘉隆によって築かれ、所縁の答志島には
嘉隆の首塚がある。

水軍の居城にふさわしく、鳥羽湾を行き来する船の様子は手に取るように分かる。

城跡は城山公園として整備され、若い人たちのインスタ映えするスポットとして人気があるようだ。

城を下って二見の興玉神社へむかった。

猿田彦を祀る神社より、しめ縄で結ばれた夫婦岩が有名で、伊勢参りと
併せて訪れる観光客は多い。

全国に天の岩戸と称される場所があり、ここもその一つで、天照大神が
隠れた岩窟とされている。

夫婦岩に向かって建つ鳥居は、天照大神や皇居への遥拝所になっている。

夏至祭禊の準備が行われていた。
夜明け前に禊を受ける人たちが白装束で集まり、お祓いを受けた後に
海水で身を清めながら、日の出を待つ。

二見浦は清渚の浜と呼ばれ、汐を浴び心身を清めた禊浜とされている。
史実と神話の世界に触れながら、伊勢志摩の旅を終えた。