●以下は平野耕太氏のマンガ『ドリフターズ』7巻の感想である。お笑いのドリフターズとは関係がなく、ドリフターズ=(異世界への)漂流者である。ファンタジーマンガの一種である。
●いろいろなことが明かされたり、展開したりする素晴らしい巻だった。
5年弱待たされたかいがあった。コロナ禍(アシスタントと部屋に籠れない)という状況に加え、平野先生ご自身も大病を患ったなかでの執筆であったらしく、待たされたのも致し方なし。
●なお、1巻から6巻は廉価版(1~3巻を上、4~6巻を下でそれぞれ1100円ほど)も出ているし、無料で読めるアプリもあるらしいとか。
●7巻に追いつけるよ、簡単に。私のお勧めマンガなので未読の方はぜひとも。
●まだ、7巻を読んでない方はここ以下を読まないでいただけるとありがたい。
裏を返すと読んでいない人にはさっぱりの記事。しかも、読後の興奮で何を書いているやら。
●言い訳と前置きは終わったぞ。以下、感想。
●ブレーンストーミングのシーンが素晴らしい。
①アイデアに対して批判・否定をしない ...
②変わったアイデアを歓迎する ...
③質より量を重要視する ...
④アイデアをまとめる ...
以上、東大IPC様より引用
「どんなバカなことでもいいから 思いついた事をどんどん下さいどんどん」
●こんなことを言うファンタジー(架空戦記?)マンガがあっただろうか。あったら、ごめんなさい。
●そのシーンの直後に一歩間違えればモブで終わっていたキャラクター(ミルズ?)に名セリフを言わせるところもいい。
「計算尺と地図と台帳で戦うしかないじゃないか」
●ローマ時代の軍事的天才であるスキピオによる関ヶ原の戦いの分析もよかった。
推理小説を書く時の欠点は犯人や探偵よりも頭がよくないと書けないことだと、ゆうきまさみ氏が述べていた気がするが、戦場分析をこれだけうまくまとめるシーンを描けるあたりさすが平野耕太氏である。頭がいい。スキピオがお雇い外国人メッケル以上だとさらりと描けるのだから。そして、山口多聞に
「あっという間に2000年分を追いつかれ そして今や追い抜いている」
と思わせることに成功しているのだから。関ケ原分析を伏線としての上記の山口多聞による感想が出てくるわけだ。
あ。メッケルによる関ケ原分析は史実ではないみたいね。だから、マンガでもメッケルの名は出てこない。
●一方、カルタゴのハンニバルと義経のコンビ結成も良い。こんな二人組を考えるとは思わなかった。
●あとはノブの「悪い予感」と7巻の最終コマ(ヘルシングの初期のミレニアムみたい)の回収待ち。
●今度はあまり待たされずに読みたいものだ…。
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