●庄司タカヒト氏が庄司敬仁名義でフォーサイトの代表をしていらっしゃった頃の「モダクラDX」の第一弾『これやんけ」である。解説は柳田幸繁氏。発行は2000年(!)。
●「たった一枚のカードを当てるまでにどこまでお客を引き付けられるか」(「はじめに」より引用)の具体例として庄野勝吉氏によるカード当て(比較的オーソドックスな方法である)を7ページにわたって書かれている。もう一つ手品が紹介されているが、「カード当て」の部分がページ数が7ページにもかかわらず、圧巻である。まあ、ただのカード当て(ほとんどのマニアがしないであろうオーソドックスな方法)で7ぺージにわたる記述が行われているのは異例のことであろう。
●これはもう、名人芸である。名人芸であるがゆえにコピーは難しいが、刺激を受けるには十分である。
●カード当てという現象が起こるまでの過程がすばらしいのである。この本の話を当時のいわゆる渋谷系の方にしたところ、「柳田(奇しくも「柳田」だ!)さんがカード当てはさっさと済ませて結果だけを見せろとおっしゃっていました」という趣旨のことを言っていたような気がする。
●少なくとも「カードを引かせる」「観客にカードを戻してどこにあるか分からないようにする」(3ページより引用)の過程にここまでギャグを入れたり、観客参加型にしたりする演じ方は、驚いたものだ。観客との一体感を生むというか。
●前述したように、これは名人芸である。決して真似をすることは一般人にできない。
しかし、できないなりに影響を受けることは間違いない。
●観客を飽きさせるの嫌でしょ。
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