旅倶楽部「こま通信」日記

これまで3500日以上世界を旅してきた小松が、より実り多い旅の実現と豊かな日常の為に主催する旅行クラブです。

NYCメトロポリタン美術館本館

2021-06-01 06:57:07 | アメリカ東部
2005、2006、2012アメリカ東海岸の旅より
別館「ザ・クロイスターズ」のきっかけをつくった彫刻家Georgy Grey Bernardの若き日の代表作「The Struggle of the Two Natures in Man」が展示されている↓
2006
※1894年三十歳の時パリで完成・公開したもの。ロダンの影響をつよく感じさせる。
当時ロダンは五十代半ば。会っていただろうし、影響をうけないでいられる彫刻家などいなかっただろう。
2005
ベルナルドが五年後にアメリカにもどってニューヨークで活動したのは良い選択だったように思える。

当時はこの本館が出来て三十年も経っていない。
美術館が意欲的に作品を収集していく中で彼の作品が冒頭の写真のような展示場所を得られたのだから。

美術品の価値の半分はその展示環境にあると納得させてくれる。

そのいちばん良い例が、別館「ザ・クロイスターズ」である。
※訪問した時のブログをこちらからごらんください


収蔵作品はニューヨークのマンションを飾っていた↑アールデコのガラスまで幅広い


アジアの遺跡からの彫刻も群を抜く美しさ

現地で見るよりも美しさが迫ってくるライティング
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ルーベンス先妻に先立たれたのち五十五歳の時に十六歳のヘレナと結婚。
ルーベンスは「工房作」が多いが↑これはたしかに本人が画いたのだろう
六十の時に授かった息子と三人の家族肖像なのだから。
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The METの所蔵品のなかでも指折りに古い紀元前28,29世紀ごろとされる、ギリシャはキクラデス諸島の「ハープ奏者」

奏者の表情としぐさに音が聴こえてくるようではないか。

普遍的な表現は軽々と時代を飛び越える。
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ギリシャ・ローマの彫刻セクション

この「三美神」をみて↑
↓イタリアはシエナ大聖堂のピッコローミニ図書館に置かれた同じテーマの発掘品を思い出した

↑「三美神」はギリシャ・ローマ時代に人気ですごい数がつくられたが、
ルネサンス期にも発掘されたモノがこぞって収集されていたのだ。
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アングルの弟子ジロデが画いたナポレオンのそばに

ジロデが裸体モデルに同じポーズをとらせて画いたとされるデッサンがあった↑
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2012年の12月に訪れた時に解説してもらっていちばん印象に残ったのは「マダムX」の肖像

↑この左右のビフォー・アフター、わかりますでしょうか?
※今ならありえない描き直しについてこちらに書きました

The METはルーブルや大英博物館と比べても遜色ない、魅惑の百科事典のような場所。
主要なモノだけでも全部見るなんて無理。
まだまだ撮っていた作品があるので、また別に書きます。
コメント
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