ここに来て
やっと
安心する
彼は夢の中で
サキソフォンを吹いていた
悪風を通り過ぎたためか
朝から冴えている
思いが飛んだのか
メロンパンが食べたい
と思っていたら
メロンパンをいただいた
凄い飛びに
驚く
まっすぐは
速度も速い
あの人は道に水を撒く
すると道が鏡になって
低いところから差し込む陽光を
反射する
光が天からも
地からの輝いて
あたりは
光だらけになってしまった
まぶしいほどに
石油ストーブの
灯油のにおい
あの野放図な庭
あの家
松の幹に
おおきなでんでん虫
草はあるがままに
牛乳箱にも
草が伸び
枯葉は落ちて
腐葉土になり
微生物が発生し
生命の循環が
あんなに小さな庭で
目まぐるしく
繰り広げられていただろうに
幼いわたしの目には
その一部しか
見ることができなかった
想像できなかった
だた
圧涛Iな
人間の手がいっさい入っていない
あの家の
あの庭の景を
わたし
ずっと見ていた
決して裕福な家ではなく
むしろ
貧しかったにもかかわらず
文化がむんむんとしていた
部屋の中には
ルノアールの贋作が飾らていて
レコード盤の真ん中には
青いリンゴが描かれていて
音楽が鳴っている間
青いリンゴが
ぐるぐる
まわっていた
界隈では
あの家だけだったかもしれない
ビートルズが流れていて
わたし
まだ幼い時
あの
庭を見ていた
草にぞうり履きで
分け入って行った
まだ小学生にもあがるか
あがらないかの時分
わたし
あの家の
あの庭を
見ていた
石油ストーブの上で
鏡餅が焼かれて
醤油で食べさせてもらった
海苔はなかったけれど
あの家で
わたし
たくさんのものを
食べた
『人間は
食べ物でできている』
という
たくさんのごちそう
ありがとう
あの家に
あの庭に
感謝
やっと
安心する
彼は夢の中で
サキソフォンを吹いていた
悪風を通り過ぎたためか
朝から冴えている
思いが飛んだのか
メロンパンが食べたい
と思っていたら
メロンパンをいただいた
凄い飛びに
驚く
まっすぐは
速度も速い
あの人は道に水を撒く
すると道が鏡になって
低いところから差し込む陽光を
反射する
光が天からも
地からの輝いて
あたりは
光だらけになってしまった
まぶしいほどに
石油ストーブの
灯油のにおい
あの野放図な庭
あの家
松の幹に
おおきなでんでん虫
草はあるがままに
牛乳箱にも
草が伸び
枯葉は落ちて
腐葉土になり
微生物が発生し
生命の循環が
あんなに小さな庭で
目まぐるしく
繰り広げられていただろうに
幼いわたしの目には
その一部しか
見ることができなかった
想像できなかった
だた
圧涛Iな
人間の手がいっさい入っていない
あの家の
あの庭の景を
わたし
ずっと見ていた
決して裕福な家ではなく
むしろ
貧しかったにもかかわらず
文化がむんむんとしていた
部屋の中には
ルノアールの贋作が飾らていて
レコード盤の真ん中には
青いリンゴが描かれていて
音楽が鳴っている間
青いリンゴが
ぐるぐる
まわっていた
界隈では
あの家だけだったかもしれない
ビートルズが流れていて
わたし
まだ幼い時
あの
庭を見ていた
草にぞうり履きで
分け入って行った
まだ小学生にもあがるか
あがらないかの時分
わたし
あの家の
あの庭を
見ていた
石油ストーブの上で
鏡餅が焼かれて
醤油で食べさせてもらった
海苔はなかったけれど
あの家で
わたし
たくさんのものを
食べた
『人間は
食べ物でできている』
という
たくさんのごちそう
ありがとう
あの家に
あの庭に
感謝