kotoba日記                     小久保圭介

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大晦日

2012年12月31日 | 生活
昨夜はよく眠れた
と訊く
よく眠れた
と答える
寒くなかった
と訊く
平気
と答える
布団を敷き
湯たんぽを入れてみたのは
窓際で
明け方の寒さは
体に厳しいと思ったから

歓談はあり
食物もある
机があり
お茶がある
笑いがあり
憂いがある
そうして大晦日は過ぎてゆく

栄の町へ
基幹バスに乗って
ゆく
子らは
すでに子ではなく
自由に歩きたいという
ならば
もちの木広場の
この場所で
4時に
と子らは散ってゆく
閑散とした地下街
わたしたちは
かけそばを食べた
彼はざるそば

ついてゆく
けれど
子は母といる
美しい景
わたしはそれとなく姿を消えた

冷たいソファーで眠って
寒さで目覚めた
大晦日の町は
静か

オアシス
という名前の場所から
バスに乗って帰る
市役所や県庁を
こうして自動車から見るたび
京都にここの景だけは似ている
と思う

疲れた人は
継続して眠る
目をあけていたのかもしれない
耳から聞こえる
声や音を
聞いていたのかもしれない
黙って
壁の色や
カーテンの色を
見ていたのかもしれない
昏睡の人は
背中を向け
自身の中に潜って
遠い日を
思っていたのかもしれない
画像には
きゃりーぱみゅぱみゅ
字幕の韻を踏むのを
私は見ていた

加湿器はすでに部屋に
適度な湿気を出していたはず
今夜も湯たんぽを
足のところに滑らせ
寒の厳しさを思う
もう寝ないと
と言うと
はい
と言う
よいお年を
と言うと
よいお年を
と言う

一年を思い起こすことはなく
年を越してゆく
誰もが
同時に
年を越えてゆく
柵をまたいで
向こうにゆくように
頭上を
今年の雲が過ぎ
新しい雲が
頭上に現れるように
鳥が羽ばたくように
誰もが
同時に
超えてゆく
知らせの鐘は聞こえず
食器を洗っていた

外で眠る人

布団があってよかった
わたしには
布団があって
よかった


今年したこと

2012年12月30日 | 生活
朝から
雨が強く降っている
床屋にゆきたい
けれど

年末なのだし
安いのだし
予約の電話を入れると
一時間後だった
ちょうど良い時間
決めた
雨の中を傘さして
長靴履いて
自転車乗って
僕は道と道をゆき
川を越えた

たいへんなお歳の方だが
立派な強い顔をしている
つるつる頭で
しかも丁寧な散髪
来て良かった

雨は降る
野菜も濡れる
そろそろ
今年のことを
思い返して時を過ごす
たまらなく
充実した時間

今年したことが二つある
一つは「宮熊」という小説を書いたこと
一つはフジの労働場の責務を終えたこと
文句なしの一年
「宮熊」は
311と
宮沢賢治と
熊野を
ぶつけた作品
すでにこないだ
文兼ッ人誌に
発表済み

読みたいという人があれば
メールをください
作品を添付して
送ります

さて明日は
大晦日
雨があがった
夜の最初
静か



よき夕べ

2012年12月29日 | 生活
雨があがって
気持ちいい朝

本は
「ろうそくの炎がささやく言葉」
ネイティブアメリカン関連からの
選択だった
中身は
311だった
中に
素晴らしい文があった
ジャン・メ[ラン「よき夕べ」(ジャン・メ[ラン掌編集「問いとの出会い」冒頭の一篇の訳。訳者は笠間直穂子)

1950年の刊行で、
あとがきには「目立たないが、静かに読み継がれる、大切な作家である。」
と記されている
僕はある人の文章を
その言葉に重ねていた

「大聖堂(カセドラル)」にも、
似ている部分がある
その部分は、
僕にとって
とっても
大切な部分
「よき夕べ」に寄せて
さざ波の音がする
実際に昨日
僕は労働場で
体を揺らし
さざ波に揺れる
船を
自身の
体に重ねていた

地下鉄の中で
奇蹟的な文に出会う
ということ
思いもしないところで
示唆し
鳴動させる
言葉
「よき夕べ」

海を見るのだ

2012年12月26日 | 生活
僕たちは
ホームに立って
電車を待っていた
紺色の
毛糸の帽子を
彼は被っていた
強い寒気で
みな
寒い寒い
と言った

僕たちは
電車に乗った
車窓を
目は見ていた
だが何一つ
言葉にのぼってはこなかった
危険な自動化作用

僕は手間の駅で降り
彼は次の駅で降りる
僕たち
南洋の海を
夢に見ていた
いつか
来春
ゆこう
僕たち
熱帯の島にゆき
海を見るのだ
約束した

空は青いし

2012年12月25日 | 生活
光の子
ひかりの こ

十日も干した
生姜

高槻にいた
あれから
十数年
彼は
その朝のことを
話した
ストーブに
鍋があった
揺れてドーンと来て
鍋をおろし
ストーブを消した
隣の部屋に
子供たち
大きなタンスがあったから
大丈夫だった
電車は停まった
歩いて
弟の所に行った
無事だった
今でも
地震があると
ビクッとなる
神戸は
がれきだった

彼は言った
僕は聞いた

いいか、
空は青いし

どんと

2012年12月20日 | 生活


緑色の
船に
氷が
張る
あ、春

冬の景は
冷たい水
そして
温泉
あ、音声

どんと
のことを
考えて
いた
どんとは
たくさんのものを
残して
駆け抜けた
まわりの誰も
どんとを知らない
僕も
どんとを知らない
でも
どんと
のことを
考えていた

海へ続く道/嬌声

2012年12月16日 | 生活


ネックウォーマーの
心地よさ
出口調査

図書館を
歩いていた
久しぶりに
歩いていた
本が並んでいた

出入り口を変え
風は音を出していた
耳栓のオレンジ色

白い音楽の機械
それを買って
音を出してみた
クリアー

集った場所にゆき
階段を降りるところで
彼のことを思った
そして振り返って
立ち止まって

彼と彼女と僕は
三人で
以前
このゆるい螺旋状の
階段をのぼった
ドアを開け
たいてい
夜のまだ始まりのこと
彼と確かに
この道を
のぼった

青い空を見ると
たまに
彼のこと

思い出す

嬌声

水路

2012年12月13日 | 生活


午前十時過ぎ
めまいの中で
十字路、
に、
いた
妙な身体感覚
そうか
僕は風邪なのか

家に着いて
何十時間も寝たい、
そう思って
眠った
水路にそって
帰ってゆく
そうしている
坂を登り
下るだけ
そうしている
ありたけの
みかんを喰い
眠る夢の中の、中


閉塞成冬

2012年12月09日 | 音楽
午後二時



四季

重さを軽く
伝説
SSL

繊維



自我の
畦道
草のみどり

人への優しいまなざし

シャッターチャンス
風と景

ギター
この場の奇蹟


鍬(くわ)
釣り






古井由吉の(午後二時)

描く
そこには
庭や
空や
木々の
景があり

多様性と猥雑さ

ぎっくり腰

古葉

グリーンハウス


家族

汽車

自転車


リズム
空気
風呂屋
壁(グレイ)
おもちゃ(球)
野球(帽)





木漏れ日



言葉



生死も
場にある

蟹江のホーム

そして


(犬塚康博ライブ「閉塞成冬」そらさむくふゆとなる/今池 アャXトロフィにて)