昨日は、
名古屋は、
今池の「得三」というライブハウスに行きました。
楽しみにしていた、
ライブです。
出演は以下の通りです。
『邂逅のおと・うた』~30年目のコンサート~
キャラバン&バランス2010
[ いとうたかお(vo.g) 山岡安(g) 須川光(key)
犬塚健二(b) Mabo雅弥(ds.per) 西尾アキ(ds.per) ]
coupling with a-fank syndicate
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名古屋・今池・得三(Tokuzo)
7月24日(土)18:00open 19:00start
前売¥2,500 当日¥3,000
名古屋には、
30年前、
キャラバンというバンドと、
バランスというバンドがありました。
僕はキャラバンの演奏は一度しか観ていなくて、
大阪へ転居していたこともあって、
バランスは一度も観ていません。
音源だけで、知っている、
ということです。
その二つのバンドが、
合体して演奏するというライブです。
このブログでは、
何度も書いている、
いとうたかおさんのバンドがバランスで、
やはり、何度も書いている、
強力なバンドが、
キャラバンです。
最初の曲から、
度肝を抜かれるような歌詞で、
虎の目で眺めながら
虫の速さで歩いてきた
という、
スローな曲から、
ライブは始まりました。
不気味な雰囲気というか、
この曲はかなり良いです。
以前、荒くれだっただろう、
今回のメンバーの雰囲気に、
とても合っている曲でした。
性分というのは、
変えようがなく、
年齢を重ねても、
荒くれの演奏。
「不良少年」という曲が始まって、
「俺たちゃあ、くすんだ街の色さ」
とメインボーカルのいとうたかおさんが歌い、
「俺たちゃあ」、
の部分を、山岡安さんが重ねました。
今回のライブは、
今は亡き、
元キャラバンのボーカル、
一ノ谷天之助さんへの、
追悼を込めた、
催しだと思います。
「僕は天之助、あとみんなの写真を部屋に貼ってあるんですけど」
と山岡さんが言いました。
僕は山岡さんのギターの音も、
キャラバンの時からとても好きなのですけれど、
天然ぼけみたいなキャラクターでもある、
山岡さんのMCには、
客席から苦笑がたくさん聞こえました。
僕もマジで笑ってしまうところが多かったです。
重ねて、山岡さんの心の優しさに、
じんわりさせられる夜でもありました。
いとうたかおさんのMCで、
「今回、このメンバーで合わせるのは、
今日が初めてなのですけど」
と、
聞き間違いでなかったのなら、
そう僕には聞こえました。
演奏は、多少、?と思える箇所もありましたけど、
素晴らしい演奏でした。
合同練習なしで、
あれだけのステージができるというのは、
凄いことだと思います。
まあ、譜面や音源で、
個人が練習しているのだろうけれど、
全体から出る、
うねりのような音。
それは、
荒くれ達が、
互いの臭いで嗅ぎ分けて得る、
獣たちの本能みたいでした。
最後の曲「からだひとつが頼りの人達は」で、
ペケのアドリブを久しぶりに聴くことができました。
「この道でいいんだろう?」
とペケは歌います。
「この道でいいんだろう?」
と重ねます。
「この道でいいんだ」
と語尾が変化します。
「志半ばで唐黷トいった者 今日は一緒に遊ぼうぜ」
とペケは歌います。
ペケの「つれづれ」には、
「人は皆、志半ばで唐黷驍烽フ。
残ったものは唐黷驍ワで続ければいい。」
と記されています。
<この世で、
達成されるような志なんかは、
たいした志ではない>、
という言葉が、
僕の中で蘇りました。
本物というのは、
「この道」を、
ねじり鉢巻き、
唐黷驍ワで、
続ける、
ということです。
本物になるのは、
大変なことで、
不安や、心の揺れ動きがあって、
歳を重ねたペケでさえ、
未だ、
「この道でいいんだろう?」
と歌うのです。
僕はこの言葉を聴いた時、
凄い、と思いました。
ペケは安心していない、
それが本当に凄いことです。
「静かな暮らしはまだ遠い」
と歌ったのもペケでした。
僕は、
このアドリブの歌詞を聴くだけで、
この夜全部が、
満たされました。
本物の人、
本物になろうとする人の、
力を得たように思います。
兎にも角にも、
今回のメンバーは全員が凄いです。
ライブレコーディング、
と、
お店のツイッターで書かれてありましたから、
きっと正式な音源が、
発売されると思います。
犬塚さんも、アキさんも、マーボさんも、
光さんも、みんなみんな、
本当にかっこいい人達でした。
思った以上に、
素晴らしい演奏でした。
数年後、
数十年後、
誰かが、
「聴きたい」、
と思った時、
音源化されているかいないかは、
とても重要です。
そういうことが、
あり得ると、
このメンバーには思います。
二度はない今回のライブ。
他のサイトで、
「行けない、悔しい」、
と残念がっていた、
パンクをやっている若い人の、
発言も僕は目にしました。
今年の夏は、
6月の犬塚康博さん+杉野暢さんのライブ、
そして今回のライブと、
続けて、
良質な音楽を楽しむことができました。
こんな素敵な夏、
こんな素敵な、
人達、
その、
振る舞い。