kotoba日記                     小久保圭介

言葉 音 歌 空 青 道 草 木 花 陽 地 息 天 歩 石 海 風 波 魚 緑 明 声 鳥 光 心 思

水深

2013年10月31日 | 生活


128メートル
トカラ列島
潜水球

難破船
大きな魚雷の穴ぼこ

C130は北へ向かった

植え込み
秋の虫
薄暮の中で
鳴き交わす

わたしは
音楽で
できている

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日本語で考える

2013年10月30日 | 生活
ジャン・メ[ラン「よき夕べ」
のことを
考えていた

階段で立ち話は
世の細部であって
一分後には
互いに忘れて
それぞれの道をゆく
この朝に

積まれた段ボール
たくさんの階段があって
未だにどの階段が
どの通路に出るのかが
判らない

そういえば
あの階段をのぼったところで
泣いていた
その涙を共有できるすべはないのに
ただ沿っていた夕
そのあと
三人は北へ向かった

彼は山にゆく



透明の

傘立て
彼らは誰に手にとられらのだろう
おそらく見られるだろうけれど
瞬時に忘れられる
雨の日以外は

ちりとりの金属の音と
階段が接触する音が聞こえる

南の窓の外は
おそらく
強い陽光が
数多の事物を照らしている
その温度と彩度に
人の脳では
快楽物質を出し
イキヨウヨウとなる

西の空の屋根の上

雨あがり

ドアの外で
音がする
ドアの内で
音がする
言葉は音である

コンセント
穴二つ
繋ぐ接点

ぞうきんで
机を拭く
所作

自由の風が吹いている

わたしたち
日本語を話し
日本語を書き
日本語を聞き
日本語で考える
そのことに
今さら
気がついた

笠寺観音
池の亀

木が切られているのに
以前のように
心が痛まないのは
何故だろう

夜道
以前
通ったことがある
思いながら
坂道をくだった

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BIG SKY

2013年10月29日 | 音楽
  


10月27日
ルーリードが
終えたという。

数年前
中川五郎さんが
ルーリードの
「BIG SKY」を和訳して
見事なカバーをした。
下記がその訳です。



    big sky 中川五郎(ルーリード))

 大空が僕を呼ぶ
 雲の彼方に僕を呼ぶ
 果てしない蒼穹へ
 僕は帰ってゆく

 大きな川が僕を運ぶ
 小舟のように僕を運ぶ
 ブルーリバーは流れ流れ
 僕は帰ってゆく

 大きな海が僕を呼ぶ
 波が僕を沖へさらう
 大海原の懐へ
 僕は帰ってゆく

 大きな山が僕を呼ぶ
 その頂きに僕を呼ぶ
 響く木霊に迎えられ
 僕は帰ってゆく

 緑の大地が僕を呼ぶ
 種が蒔かれ花が咲く大地
 玄孫が走る大地の下に
 僕は帰ってゆく

 一万光年の彼方 星が輝く
 その輝きは一万年前のもの
 何て短い僕の一生
 すべてがいとおしい

 大空からみんなを見下ろす
 歌い笑い食べて眠る
 学び働き愛を交わす
 僕は帰ってゆく

 大空でみんなと出会う
 別れた人と再会果たす
 積もり積もった話をしよう
 僕は帰ってきた

  
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丘の上に小屋があり

2013年10月28日 | 生活
丘の上に
小屋があり

階段をいくつか
のぼったところ
丘の上に
小屋はあり

土くれの中に階段はあり
丸太で階段はでき

こどもたちは
グレイの山岳帽をかぶって
丘をのぼってゆく


ピンク
空色の
ランドセルをしょって
水筒を持っている
ランドセルは陽に照り
光っている

丘の上に
小屋があり

風がないので
木が黙る

「おかえり」と言うと
『「おかえり」と言った』

彼らは
歩きながら
ふり返らず
話す

西へ向かい
東へ向かい
みな
丸木の階段を
のぼってゆく

丘の上に
小屋があり

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人が寝ていたものだから

2013年10月27日 | 生活


昨日の朝
小雨の中
商店街の
歩道の上で
人が寝ていた
妙に思って
自転車を停め
声をかけた
動かず
シューズを履いて
手持ちがないので
走っている最中か
歩いている最中に
唐黷スと思った
救急車を呼ぶか
と訊くと
うなずいてみせる

ケータイで
119と110の違いに
混乱しながら
三つのボタンを押すと
すぐに出た
場所を訊かれ
近くの建物の名前を言う
性別を訊かれ
果たして男女の別が判らず
靴下の上から見える
すね毛で
「男性 30代です」
と応え
「すぐゆく」
と言う
「すぐに救急車が来ますから大丈夫です」
と声を出すと
うなずく
付近の散歩者が
「ごくろうさまです」
と言って
去った

唐黷トいた男が目を開けて
起きあがり
向かい側の道路に停めてあった
青い車に乗った
後部座席で横になった

酔っぱらい!

電話が鳴る
「どんな状況ですか 向かっていますので」
「起きて 車に乗って 酔っぱらいかも 寝てる」
くだらん
労働に遅刻する
「そのまま容態が変わったらすぐに電話を」
と言う
酔っぱらっていらっしゃる
だけかも!
男はすっかり眠ってる
すたすたと
歩いて車に戻ったのだ
助手席に置かれたタブレット
朝のテレビが映されて
誰かが何かを話してる
くそおこのタブレットほしい
と邪(よこしま)鳴って
邪(よこしま)抑え

ほどなく
救急車が坂を下ってやってきて
三人の公務員登場
「かくかくしかじか あとはよろしく 労働がありますので」
と言うと
救急隊員は
「あなたは善人ですね顔」
を出して
「お疲れさまでした」

わたしを解放

途中
サトヤマさんに電話して
15分後に着きます
と発して
まあ遅刻にはならないけれど
あれはきっと
酔っぱらい

おそらく
救急隊員たちは
辟易し
彼にも
わたしにも

後部座席で寝ている男に
声をかける
「すぐに救急車来ますから」
男が笑った
あの笑いは何だったのか
それにしても
あのタブレット
「迷惑かけた」
と善人顔の
わたしに贈答しては
くれまいか

くれまい

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baet

2013年10月26日 | 生活
バナナジュース
ビスケット
メロンジュース

beatがある人は
常に凛としているので
時には
朝風呂につかり
ふう
と息を出す
あんな老境に
あこがれて
尊敬というより
beatがある人の
所作を観察
美しく生き抜く人は
稀に存在するものだ

塔の天辺(てっぺん)は
雲にかくれ

鈴を落としたので
拾って
手渡す

9時30分
西の空に青
何日ぶりかの
晴天だ
午後
西の空に
白い月

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雨の夜の横断者

2013年10月25日 | 生活


朝の虹を
空に見つけたその直後
鳴る
メールの着信音
読んでみると
「吉増剛造、文化功労賞です。」
と朝刊を読んですぐに
知らせてくれた友の朝
まだ5時半だというのに
うれしさの勢いが
まっすぐに刺さる朝

わたしたちは
吉増剛造にわずかに
接触しているものだから

---

鳥たちは学習センターの
屋根にとまり

数日前
雨の夜の
横断歩道を
盲人が杖をついて
点字ブロックの上を
歩いていた
盲学校の近くだから
歩行者用信号から
音は鳴っていたのだけれど

雨の夜に
帰宅せねばならぬ
音が鳴っているにせよ
渡らねばならぬ横断歩道
白杖は
強い雨のアスファルトを叩いていた
けれど
雨の強さで
杖の音は聞こえません

彼の内側へ入ってゆけば
おそらく
「浮「」のただ中であっただろう

夜の雨の横断歩道
自転車のスピードをゆるめ
横断者が渡り終えるまで
沿ってはいたが
声をかけて
腕を出し
沿えばよかったと
悔いが残る

夜の雨の
ヘッドライトに照らされた
雨粒の中の
横断者
雨はわたしの顔を打つ
カッパを着ても
雨は打つ
おそらく
彼の顔にも
雨は打っていたに
違いないです
冷たい雨で打たれた顔が
せめて
地下鉄の中の暖房で
温まり
気を良くしてくれたなら
暖房に
文化功労賞

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飽きることは才能だ

2013年10月24日 | 生活


朝焼けの
青とピンク
オレンジ

伸ばさない
引く
7分目以下で止め
飽きさせず

「飽きることは才能だ」

扉を開けて
外に出て
扉を閉めて
どこかに行った
鮎川信夫

酒粕
バクダン




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夢のニーチェ

2013年10月23日 | 生活


南に巨大な塔が建ち
東に貞M
北はグレイで空っていますし
西の路の先の方には
女たちが集っている

本棚には真新しい本が並んで
どんなだろうと
手にとって
「夢のニーチェ」という
青と白の装丁の
本にひかれて
「お借りしても良いですか」
と問うてみると
主人は
「良いですよ」
と言う
「夢のニーチェ」の
夢から醒めて
主人は歳をとっても
明晰であったと
朝の支度のただ中で
思っていた

黒い服の女が
南へ向かった

ちゃんと生きている人に会うのは
喜びだ

「さっき集団で行った人たちを知りませんか」
と女が言う
行き先を知らせると
「ありがとう、遅刻しちゃって」
と言う
「ありがとう」が様になっていた

「ありがとう」が様になるまでの
人生のことは
誰にも知らせず
女は行き先を急ぎ
先人を
探して
姿を消した

性善説と性悪説が
未だピンとこない
考えることさえしたくない
シジミチョウ
舞う

おじいさんは
青い表紙の
古典と書かれた本を持って
南へ向かった

すずめ十一羽
電線に並んで

来た
ぽつぽつ11:40

それにしても
いたるところから匂う
キンモクセイの
仕業



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今日も月に雨が降る

2013年10月21日 | 生活

濡れ
その声に
はげまされ
行く先は
明るく灯る

陸の上には
まだ
船がある

トラックの
運転手が言う

今日も月に雨が降る

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ファンタスティック交差点

2013年10月20日 | 生活


迷いのない雨
まっすぐな雨
やむことも
強く降ることもなく
あくまで
定量の水

たとえば
屋上の植木鉢
たとえば
電線
道路はもちろん
雨が降りそそぐ

車の上にも
ブロック壁にも
雨はしたたり
色を黒くする

夕方になれば
雨はやみ
空が明るみ
西から晴れれば
東の窓から
ベランダから
虹を待ってみる

夕闇が始まったので
虹を
あきらめ
サンダル履いて
ファンタスティック交差点まで
ゆくために
地球の上を
犀のように
歩いてやった




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秋のきれい

2013年10月19日 | 生活



一番いい季節
雨が降っても
風が吹いても
暑くなく
寒くなく
稲穂は実り
果実は群れて
わたしたち
豊饒の食卓で
季節を祝う
祭る


その空
その風
その雲
秋の季語は
山粧う(やまよそおう)

もうすぐ
紅葉
イチョウの黄色
夏が暑かったものだから
なおさら
今が素敵に思え
見るもの聞くもの
この水の惑星の
秋のきれいを
彼らにも
知らせてみたい

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素手はおそらく雨に濡れ

2013年10月18日 | 生活


まだここが
土くれであった時
秋だったか
冬だったか
冷たかっただろう
雨が降っていた

ふいに
もらった
手袋
渡された
真新しい手袋

素手はおそらく
雨に濡れ
見かねて
渡された
真新しい白い手袋

そんなことがあった
思い出して
見あげていた
大きな高い
建物
道一本
北にゆけば
由来があるだろう
小さな神社があって
そこは池

菩薩たちが振る舞い
「月曜おじさん」

盲学校の弁論大会で
世に知らされ
菩薩たちは振る舞い
「いつも笑顔で」
「とにかく笑え」
と盲学校の高校生は
野球部員に言われたことを
話した
大会で

はたして
「月曜おじさん」

弁論大会を
見ていただろうか
聞いていただろうか
見聞せずとも
高校生の彼の胸に
言葉は宿り
日常は
昨日とそれほど
変わりなく
続き
続く

時には
ジャンプして
切符を買って
電車で遠くまでゆきたくなる

あの雨の日
思いをいただいた
あの雨の日
素手だったものだから

菩薩たちが乱舞する

夢が立ちあがる
新たな夢が
そわそわして
大きな空に
絵を描きたくなる

夢が立ちあがろうとしている
勇気や希望というよりも
夢とは
純然な欲望であって
こうしたい
もっと大きく
広いところに
身を持ってゆきたい
そんな
恥ずかしい限りの
欲望を
夢というのだ

笑顔と発音してみる
egaoと発音した

笑顔を出せば
陽が出て
前に進む
前に
進む わたしたち
そして
yumenichikazuku










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掌(たなごころ)

2013年10月17日 | 生活


オジの手に
ピーマンは盛り
たくさん
盛り

夏の間
水をやって
育った
「無農薬なのだ」

ピーマン
オジの手に
盛り

小屋の窓に
トランジスタラジオ
歌う話す
声を
聞いて
空は青く

夕には彩雲を
西の空に見つけました

モンシロチョウ
舞い
モンキイチョウ
舞い

長椅子で
眠る

輝き
稲の穂の
金色
手渡される
おむすびの秋

鮮やかで
爽やか

あざやかで
さわやか
秋の水を
飲んで
線路の茶を見
あざやかで
さわやか

あざやかで
さわやか

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空でたいへんなことが起きている

2013年10月16日 | 生活
風は夜まで吹き
夜になって
風はおさまり

遠くから
電話
空ではたいへんなことが
起きているという

西の空に

ブラインドの間からは見えず
外に出ると
おわりかけの
虹が
見え

二重の大きな
虹であったという

虹のかけらを
目に入れて
脳まで通し
保冷して
解凍して
オリーブオイルで炒める
虹入り
パスタ

自由自在
花栗
花車
大池
花車
風が吹き
さらに吹き
大松まで行った

体の大きな人は
福島に半年間
ボランティアに行き
空手の段を持っている
風は吹き
風が吹き
看板を飛ばし
夜まで
ずっと
風は吹き
夜になって
風はやみ
虹のかけらは

西の空に
あったのだ
「空でたいへんなことが起きている」

花車
大池
花栗
花車
大松






青い道を
僕らは

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