頭の半分
毛の抜けたカラス
一羽
きっと
仲間につつかれた
群から離れた
一羽のカラス
嘔吐物を食らい
ぴょんぴょん跳ねる
たいてい
餌を食べる時
もう一匹が見張りをしている
でも
彼は一人で
文字通り
生きている
さっき
ナマステ先生と
昨夜の嘔吐物を
水で流してしまったことを
わずかに
後悔した
残しておけば
もっと彼は
食べられたのに
と思
すまんのお
おまんがくるのわかとおったらよお
水で流さなんだに
すまんのお
暖かき日
川澄さん
良い名前
川澄さんにお会いすると
いつも
宮沢賢治の
『やまなし』に出てくる
カワセミを思い出す
音(おん)として
キャンバスを持った後期高齢者の男性
絵の具が入っているだろう
筆箱を
落とした
拾った
そして
南へ向かった