帰化植物という言葉が出てきます。
帰って、化ける、
と著者は書いています。
それは、日本やアメリカ、
難民系というか、
国境越えをしている著者と重なります。
そして、
住むところは家ではなく、
家族で犬も一緒に、
河原が最適なんじゃないか、
という著者の欲望の作品みたいです。
吉増剛造のエッセイのタイトルで、
「剥き出しの野の花」
の如く、
人間の肉体同様、
植物のエロさ全開で、
そこには死生もエロティックに描かれています。
草とともに生き、
草の中で死に、いずれ草となって蘇る。
草いきれのむんむんした匂いがするような、
嗅覚の詩集です。
「体」への言葉が勇ましく、
このような爆発的な現代詩の言葉を読むと、
通常の言葉が、
「本質」から「変質」するように、
僕の中で、言葉の感覚がちょっと違う場所に行く、
という快感を感じます。
さすが、伊藤比呂美。
移動と生態系と、
希望にあふれた、
詩集です。
獰猛な詩集です。
かつ、草の緑のきれいさを、
見に行きたくなるような詩集です。