木さん、
風が吹いて いるね
葉っぱがたくさん
動いている
銀杏 いちょう だと
四日前から
知っている
本当の 秋になれば
緑の葉っぱが黄色になって
銀杏も落ち始める
南側の空は
曇っていた白だけど
今は青い空も見た
曇っていた白がまたなった時
また新しい青い空が 見え 始める
黄色い葉っぱが落ちて
冬になったら
今の緑緑も黄色になって
裸木になる
春になったら
夏の終わりの 緑の葉っぱが
たくさん 芽吹いていく
帰りたい
そんなこと
何度も何度も
小谷さんや田川さんに
帰りたい帰りたい
連れて行ってください
と思っても言ったところで
神々が話をして
協議をして
また まだダメだ と
みんなが
全部決めること
だと本当に思った
午後のシュークリーム
お茶の時間
ひどく美しい
しゃべることもなく
静かに聞いている
新しい世界というのは
どれだけ綺麗なのか
みえちゃんは
以前言った
「けいすけ君も好きなのね
いいことです
私も けいすけ君もみんな
長生きするから
一日中 空を見ていたいね」
「そうですね」
名古屋と
三重県でそんな話をメールに書いた
みえちゃんの言うことは本当だった
空は一日見ていても
飽きることはない
昨日の朝
秋田さんの
美しい絵を見た
美しい絵は何か
秋田さんの
驚くような
笑顔です
木さんから
雲から
風から
葉っぱから
靑空から
動きながら
わたしは
人の美しさ をも
見た