kotoba日記                     小久保圭介

言葉 音 歌 空 青 道 草 木 花 陽 地 息 天 歩 石 海 風 波 魚 緑 明 声 鳥 光 心 思

陽/生姜

2013年01月31日 | 生活
歩道橋ばかりの
交差点
この交差は
いくつの道があるのか
一つ
二つ
三つ
四つ
五つ

陽である
太陽である


夜の深まり

途中で
生姜の輪切りを
裏返し
乾燥生姜作り

作業に
無言で
いそしむ
発語はなくとも
脳では
止まることのない
言葉の
連鎖運動がある
それは
夜の深まり

途中で
熱を帯び
熱く
自身に語る
「自分のことを考えるな 遠くを見よ」
という
アランの言葉とともに
わたしは生姜から目をあげる
目覚め
また作業にもどる
夜の深まりの奥で
生姜を
裏返えす


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冬太陽

2013年01月30日 | 生活
泣いていた
涙の湿気が
目のまわりに
確かにあった

眠りながら泣く
今朝の目覚め
わびしいやら
清々しいやら

nikki鳴る
胸で鳴る

「それでも笑顔がこぼれてる」「おろしたばかりのズックを履いて」

いとうたかおは言った
言霊となって
胸に降りる瞬間
蓄積された言葉たちは
時を外さず
海面に浮上する

誰もいなくなった
縁側に一礼し
お弁当を食べていた
陽は南西から射していた

泣いていた朝の目覚めから
やってきたものは
夕方のやさしい言葉たち
力を得るのを実感し
朝の涙は
喜びのため
力を頂く喜びのため

あたたかき
冬太陽

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鈴鹿山脈

2013年01月29日 | 生活
田中を歩く
今日は北へ向かって

オジと
西に連なる
鈴鹿山脈に
雪を見る
これぞ
ふゆの景

乳母車が今でもあるのだ
それも
何十年も前の
藁色の車
押して
歩いているのは
町の老婆
これから話すことは多分なく
東遠くの
道を
彼女は南に向かった

「小久保君が来ると大きな朝日が見える」

大日のきれいを
オジが発した
オジそれは違う
見たのは
オジの目だ
オジの道行きの正しさだ


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チェーン

2013年01月28日 | 生活

うっすらと
早朝
川沿いの小径を
走っていた
白い道に
自転車の轍
自由体操
いや
ラジオ体操
の老境に人々

チェーンははずれ
直す

美しい町で
電車に乗り
車窓を見
雪の景は
田が多くなるほど
きれいです
電車はすぐに着いて
路があったので
路を歩く

平地の陰はそれは寒く
陽のある所へゆき
日中の陽はうれしい
もしもくもっていたら
この寒さは嫌だな

駅前のベンチで
陽を眺め
ベンチで寝そべってみた
冬の寒さは
まろやかな伝えで
常夏になる
重ねて
駅前の像は
「希望」と名を出し
それをふんわり素直に
受ける喜び

帰路を伸ばし
自転車屋で
チェーンの具合を調整し

チェーンはずれ
直す
ことのないように
私たち
行き道をゆくために
直す
チェーンがはずれないように
直す
歯車に
チェーンは見事に噛み合い
潤滑油に濡れ
油は
夜の路面にしたたり
したたる
自転車という
輪車(わぐるま)に乗って
雪であろうが
雨であろうが
ゆく
まろやかな言葉の伝えを
支えに

チェーンはずれず
はずれぬことも忘れ
のちの新緑のために
さらに盛夏にむけて
まろやかな言葉の伝えを胸に

チェーンはずれても
直す


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大塚愛

2013年01月27日 | 音楽
大塚愛を初めて見聞きしました。
こういう声の飛ばし方って、
すごいです。
それとサビが二つもある!
声と言葉と音程が、
一緒になって、
F16戦闘機みたいに、
高速で空の彼方へ飛んでゆく、
という感じです。

飛行機は、
鳥を真似て
作られたそうです。

鳥は遠く早く長く飛ぶために、
骨は空洞になっていて、
軽量化のために、
フンも未消化のまま、
排泄して飛んでゆくのだそうです。

無駄のない歌手、
大塚愛。





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トロッコ村

2013年01月27日 | 生活
トロッコ村においでよ
トロッコ村は
みんなが助け合って生きるんだ
トロッコ村は
カナダの中にある
小さな村なんだ
森に行って
キノコを採るんだ
秋に採れたキノコを乾燥させて
今食べるんだ
川の鮭を捕って食べ
みんなで分け合うんだ
薪を割って
火を起こし
みんな穏やかな人ばかり
誰かがこころに傷を負ったら
みんなが手を当てて
傷を癒すんだ
生活は質素だけど
みんな静かに暮らしている
時々
町にカモシカの角を売りにゆく
それでお金を作って
町でお酒と砂糖菓子を買って
帰るんだ
まったく自給自足ってわけには
いかないんだ
今トロッコ村に
雪が降って
積もっている
雪の上は
朝になると
きらきら輝いている
トロッコ村においでよ
誰も怒る人はいないし
喧嘩なんてないんだ
困ったことがあったら
みんなで助けるんだ
それでも駄目なら
あきらめるんだ
でもたいていは
どうにかなっちゃうんだ
自然とか
そういう言葉は
トロッコ村にはないんだ
ありがとうという言葉と
ごめんなさいという言葉が
大切にされているんだ
もうすぐ春になるでしょ
その時に君もおいでよ
トロッコ村に

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2013年01月26日 | 生活
夕方
雪が降ってきた
自転車を漕いで
家に帰った
ジャンパーも
全部
雪で白い

雪が降ってきた
山間部では
もっと降っているだろう

トロッコ村に
雪が降ってきた
チュー君に
トロッコ村の話をした
チュー君はちゃんと聞いていなかったけど

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光、そそぐ

2013年01月25日 | 生活

台所に立って
コーヒーを飲んでいた
七階から見える西の空は
遠くに雪が降っていそうな
白い雲が出ていた


図書館
道路
線路
の上に
光、そそぐ
そして
雲は南東に向かった

「今日も地獄でお待ちしています」
というドラマで、
「さみしい、を心の中に持っている」
というセリフを徳永えりが言っていた
脚本家の才能
女優さんが違ったら
また違っていたかもしれない
いずれにせよ
「さみしい」
を物として扱ったところに
言葉の面白さと可能性を見た
保守的ではあるけれど
美しい言い方だ
この話をしたら
綿谷りさの作品の冒頭
「さみしさが鳴る」
と返答がきた
連関あり

悲しい、を心の中に持っている
うれしい、を心の中に持っている
どのような書き換えでも、
可能な言葉の術

「さみしい、を心の中に持っている」
こういう言葉を見聞きすると
光がさす
言葉が生きている
と強く思う
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水草の緑

2013年01月22日 | 生活
昨夜からの雨は
朝9時過ぎにあがった
グレイの空に
陽の玉が見え
西の空は白くなってきた
ほどなく陽光がさし
僕は公園でお弁当を食べた
水草が生える水たまりを避けて
大きなベンチに着いた
南を向いて
考えていた


群れて
飛ぶ

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猿の出る温泉

2013年01月21日 | 生活
石油ストーブのある小部屋で
岐阜の関での生活の話を聞いた
温泉が近くにあるという
うらやましい
猿の出る温泉はどこ
と質問したら
もっと上(北)にある
という
うらやましい

恒川さんに
甘いお菓子を頂いた

夜はずっと
雨が降っていた
思わぬ援軍
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大寒

2013年01月20日 | 生活
構えることもなく
気取ることもない
そのまま

自転車に乗っている
ここ数日
ずっと
自転車を漕いでいる
青い服を着て
赤い服を着て
冬を走る

山に登る
歩く
自転車に乗る
パスタを食べる

言葉が尽きることはなく
延々と続いてゆく

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父の舗道

2013年01月19日 | 生活
休憩所は小さいけれど
石油ストーブがある
暖がとれる場所で
お弁当が食べられる幸せ
あとは居眠り

大判焼きを食べたあと
久しぶりに
行ったのは
鶴舞図書館
何年ぶりだろう
きっと10年
いやもっと

そして
父はこの通りを
毎朝
東に向かって
歩いていたはずだった
目の前の舗道を
父が歩いていた


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シャッター

2013年01月16日 | 生活
電動シャッターが
ゆっくり
開く
足がまず見えた
ドキドキする
上半身が見える
緊張する
ご主人が立っていた
シャッターは全部開いた
どこにでもある大きなシャッター
普通の笑顔のご主人
それが素晴らしい
どこにでもありそうな景なのに
ドキドキする
僕がもし映画を撮るなら
こんなファーストシーンがいい
北野武の映画みたい
どこにでもあるような景なのに
妙に緊張する
風景は絵の連続だ

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風穴

2013年01月15日 | 生活
熊野で
言葉を
紡いでみたい
という

ありがとう

熊野への道を
書かれてある通りに
行ってみたい
という

ありがとう

思い出した絵があるという
きっと
あの
山に続く道

ありがとう

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雨降りの日

2013年01月14日 | 生活
冷たい雨が降っていた
胸で歌った
ハイな歌を
30年前に作った歌が
胸で鳴った
歌は未だに
こうして生きていた
僕は人のために
歌ったことが
あっただろうか

ない

人は自分で勝手に
歌に自分を見つけは
「いい歌だ」
と言うだけだ
僕も誰かの歌に
自分を探している

みんな
自分のために
生きている

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