昼下がり
自転車を漕いで
八百屋とスーパーへ行く
途中にある
交差点
黄色のスピーカーが
歩行者用信号の脇にある
信号機自体もあたらしくなっていた
今までなかった
盲いる人のための
音の出る信号機
こんな近所に設置されていたとは
おそらく
まとまった数
まとまった箇所に
設置されることになったと
想像し
この交差点も
その中の一つ
本当は音の出る信号機などつけずに
そばにいる人類が
「たこ焼き食いてえなあ」
だか
「寒いねえ」
と世間話でもして
信号を待ち
共に安全に横断すれば
済むことだのに
人類は
そう簡単ではないらしい
目が見えぬ人を
目が見える人が
道路を渡る時だけでも
一緒に歩けないだろうか
「どう接していいのかわからない」
というならば
「何かお手伝いできることはありませんか」
と言うのが良いらしい
ちょっとの勇気と
気持ちがあれば
人類ですから
「どうぞ」
と腕を差し出し
「結構です。ありがとう」
と言われたら
「あ、はい」
と人類は答えればいい
それで
いい
人類は言葉を使わないですむようになるのが
理想である
相乗能力を訓練すれば
いずれ人類
言葉などいらぬ
太陽
たこ焼き
たなごころ