中上健次の評伝「エレクトラ」が、
もの凄く良かったので、
次の本が読めません。
しかたがないので、
昨夜、
2002年放映のNHKのETV特集「中上健次の妻」、
の録画ビデオを見ていました。
奥さんは作家の紀和鏡。
生前の中上健次を、夫、または父としてとらえた、
これも貴重なVTRだと思います。
「エレクトラ」を書いた高山文彦も、
たぶんこれを見ているだろうことは間違いありません。
「エレクトラ」の中に、紀和鏡からの取材の箇所も、
随所にあり、
ここは「エレクトラ」には書かれていない、
ここは、「ETV特集」では放映されていない、
と、両方の視点の違いがありました。
紀和鏡の話の中で、
「中上健次は最初の一行にとてもこだわった、
だから最初の一行ができると、喜んで、
飲みに行った」、
とあります。
「もうできた(作品が)と同じだから」
と。
その一行から、始まるのですから、
と。
僕はこのVTRを見ていた2002年以降、
まったくその通りだと思って、
当時、
僕も最初の一行にこだわるようになりました。
それはとても微妙を要する問題だったのですけれど、
まるで自分が中上になったように、
「出た!」
と出だしの一行の話を友人に電話すると、
「じゃあ、飲みに行かなきゃ」
と友人も喜んでくれました。
紀和鏡は、よく笑う人です。
大作家、中上健次に多々の男たちは、
あらゆる問題意識を持って取り組んでいること自体を、
全部笑って吹き飛ばすような、
女の力を持った人でした。
だからこのVTRを見て、
やっと楽になりました。
中上健次も、あー、ただの人だ、と。
---
今日は、いろんな本を読みかけては、
まだ駄目だな、と思いつつ、
「エレクトラ」と同じ力を持つ本、
「東京観音」を読みました。
この本は写真家の荒木経惟+杉浦日向子の共著。
東京中の観音様を捜して、撮影した写真集です。
僕は荒木経惟の著書は全部好きで読んでいるのですけれど、
この本も類にもれず、とても言葉が良い。
写真に添えられた荒木の言葉は、凄く良い。
抜けていて、優しい。
写真も良いけれど、僕はこの人、言葉の人、
だといつも思います。
他の写真集で、エロティックな写真と、
空の写真を両方撮っているのがあって、
聖と俗、らしい。
それは、まったくもって、
中上健次にも共通することなのです。
あと、養老孟司と阿川佐和子との対談「男女の怪」を読みました。
養老孟司って、あんがい、
適当にその場で作って話しているな、
これはちょっと眉唾くさいな、
とニンマリしながら読んでいました。
でも、面白いです、養老さんは。
強い風が、今日は吹いて、
ベランダの植木が唐黷トしまいます。
なので、風の通り道から植木鉢を離しました。
ぴゅうぴゅうと音を立てる窓の外。
風の音はけっこううるさいので、
耳栓をして本を読んでいました。
夕方、といてもすっかり夜になって、
米を買いに行きました。
ぜんぜん歩いていないので、
自転車はやめて、遠い店まで、
大きなリュックサックを持参しました。
行きは空っぽ、帰りは10キロの米です。
帰り道、
「重い荷物をしょうんだ、僕が歩いているのがわかるように」
という感じの歌詞だったと思うのですけど、正確ではありません、
友部正人の歌詞をヘンな声で歌って帰りました。
空に星が見えました。
そうそう、何度かたくさんの方から電話があって、
中で、先日までここに滞在していた姪の友達、
有美ちゃんのお母さんから、
「今度、とれたての窒フ子を送ります」
とあり、とてもうれしかった。
きっとおいしいに決まっています。
楽しみです。
もの凄く良かったので、
次の本が読めません。
しかたがないので、
昨夜、
2002年放映のNHKのETV特集「中上健次の妻」、
の録画ビデオを見ていました。
奥さんは作家の紀和鏡。
生前の中上健次を、夫、または父としてとらえた、
これも貴重なVTRだと思います。
「エレクトラ」を書いた高山文彦も、
たぶんこれを見ているだろうことは間違いありません。
「エレクトラ」の中に、紀和鏡からの取材の箇所も、
随所にあり、
ここは「エレクトラ」には書かれていない、
ここは、「ETV特集」では放映されていない、
と、両方の視点の違いがありました。
紀和鏡の話の中で、
「中上健次は最初の一行にとてもこだわった、
だから最初の一行ができると、喜んで、
飲みに行った」、
とあります。
「もうできた(作品が)と同じだから」
と。
その一行から、始まるのですから、
と。
僕はこのVTRを見ていた2002年以降、
まったくその通りだと思って、
当時、
僕も最初の一行にこだわるようになりました。
それはとても微妙を要する問題だったのですけれど、
まるで自分が中上になったように、
「出た!」
と出だしの一行の話を友人に電話すると、
「じゃあ、飲みに行かなきゃ」
と友人も喜んでくれました。
紀和鏡は、よく笑う人です。
大作家、中上健次に多々の男たちは、
あらゆる問題意識を持って取り組んでいること自体を、
全部笑って吹き飛ばすような、
女の力を持った人でした。
だからこのVTRを見て、
やっと楽になりました。
中上健次も、あー、ただの人だ、と。
---
今日は、いろんな本を読みかけては、
まだ駄目だな、と思いつつ、
「エレクトラ」と同じ力を持つ本、
「東京観音」を読みました。
この本は写真家の荒木経惟+杉浦日向子の共著。
東京中の観音様を捜して、撮影した写真集です。
僕は荒木経惟の著書は全部好きで読んでいるのですけれど、
この本も類にもれず、とても言葉が良い。
写真に添えられた荒木の言葉は、凄く良い。
抜けていて、優しい。
写真も良いけれど、僕はこの人、言葉の人、
だといつも思います。
他の写真集で、エロティックな写真と、
空の写真を両方撮っているのがあって、
聖と俗、らしい。
それは、まったくもって、
中上健次にも共通することなのです。
あと、養老孟司と阿川佐和子との対談「男女の怪」を読みました。
養老孟司って、あんがい、
適当にその場で作って話しているな、
これはちょっと眉唾くさいな、
とニンマリしながら読んでいました。
でも、面白いです、養老さんは。
強い風が、今日は吹いて、
ベランダの植木が唐黷トしまいます。
なので、風の通り道から植木鉢を離しました。
ぴゅうぴゅうと音を立てる窓の外。
風の音はけっこううるさいので、
耳栓をして本を読んでいました。
夕方、といてもすっかり夜になって、
米を買いに行きました。
ぜんぜん歩いていないので、
自転車はやめて、遠い店まで、
大きなリュックサックを持参しました。
行きは空っぽ、帰りは10キロの米です。
帰り道、
「重い荷物をしょうんだ、僕が歩いているのがわかるように」
という感じの歌詞だったと思うのですけど、正確ではありません、
友部正人の歌詞をヘンな声で歌って帰りました。
空に星が見えました。
そうそう、何度かたくさんの方から電話があって、
中で、先日までここに滞在していた姪の友達、
有美ちゃんのお母さんから、
「今度、とれたての窒フ子を送ります」
とあり、とてもうれしかった。
きっとおいしいに決まっています。
楽しみです。