肉どんぶりを
食べている
庶民の慣れ親しんだ
牛丼とはちがう
肉どんぶり
おいしい
と言う
長い年月
肉どんぶりは
その人の手によって
作られてきたはずだった
けれど
何故
今
わたしが
その手でつくられた
肉どんぶりを食べているのだろう
そんなことは一切思ってはいない
さあどうぞ
と
出されたものを
食べるだけだ
食べて寝る
それが基本
と言われたのは
もう何十年も前だった
わたしは
肉どんぶりを
食べている
窓の外は寒いだろうに
わたしの体は
肉どんぶりで
温かくなっている
食べるものがなく
8億500万人
9人に1人が餓えている
この星の上で
わたしは
9人の中の8人の代表として
当然のようなツラをして
肉どんぶりを
食べている