予告どおり早起きできたので、何年かぶりに板橋区の大山へいきました。
久しぶりに歩く、大山ハッピーロード。
かつての模型の聖地は、保育施設になっていた。踏切らしきオブジェも残ってはいた。
しかし目的はここではなく、その先にある板橋交通公園の、
この都電。
あるときネットサーフィンしていて、かなり荒廃が進んでいたように見え、心配になったので、場所を調べて訪ねるのが目的でした。
来てみると、緑のジャンパー着たオジサンがニコニコとこちらを見ている。掃除用具をもっていたので管理されている方だとすぐに分かった。見学させてくださいというと、やっぱりニコニコと応じてくださった。
はじめはバスから見学。
車内の部品はいくつかなくなってはいるものの、状態は思ったほど悪くなっていない様子。木造の床もワックスがけしているのだとか。
続けて、都電7500型を見学。外観は塗り直されていることもあってキレイに見える。
一部壊れたりして無くなっているものの、運転席のマスコンもちゃんと回せたし、スイッチ類も固かったけどちゃんと動く。
その様子を見たオジサン、こんな事を仰ってた。
本当は電車もバスも、もっとキレイにしてあげたい、都電も本来とは違う色だし、系統板も、ちゃんとしたモノをつけてあげたい。しかし備品は傷ついたり無くなったり、車体の傷みは都度補修したり塗り重ねたりを繰り返して何とか凌いでいるのが現状。(区の?)予算もままならいので、これが精一杯。でもこの交通公園に訪れるこどものために、いつまでも残してあげたいんだ・・・。終始ニコニコとされていたが、実のところ壮絶な話だと思う。本当に頭の下がる思いがした。
そういう言葉の横から、きょうもこの電車とバスに会いに、こども達がやってきて、さっきのマスコンをくるくる回して遊んでいた。これから午後になって暖かくなったら、もっとふえるという。
その後、予定をチョット変え、池袋~大塚~荒川車庫へ。
で、こんどは同じように保管されている、都電思い出館の7504号を見に行く。
そして、車庫の裏手からも1枚。
7500型更新車タイプは、新車投入と入れ替わりにすでに休車となっていた。しかも2両。彼らに第二の職場がもしなければ、このまま生涯を終え、解体の道を辿ることに・・・?
都電を擬人化するのはぼくはいささか疑問視するのだが、こんな事を考えた。
比較的早くに役目を終え、大事にされ、守られながら余生を静かに送れる者がいれば、こんなふうに車庫の脇で休車扱いされる者がいる。もしかれの心の声を聴くことができれば・・・。
長いながい間せっせと現役はたらき、それこそ昨日まで大事に手入れされてたのに、新人(新車)入社を機に、突然お役ご免になった電車の心の声はこんな感じか?
『何だよ、俺はまだまだ使えるぞ、ぶっ壊されるなんてとんでもない!』と思っているのか、それとも、ようやく代替わりが現れたので、『自分の役目はもう終わったと思う、ようやく楽になれた』とだけぽつりといい、ひっそりと最期の時を待っているのか・・・。
電車の使い道なんて、使用者の一意的な判断により決められることなので、自身ではどうすることもできないという無常さ、はかなさ、潔さが、今を生きるぼくらにも相通じるところを感じるような・・・。
なんのこっちゃ、と思うかもしれないが、板橋から突然荒川に行きたくなったのはこんな思いが不意に沸き上がり、同じ仲間の現状をみておこうと思ったので。
タイトルにその1とあるということは、この後つづきがあるわけでして、それは次回。