政府、与党が年末に議論する2018年度税制改正で、たばこ税を増税する方向で検討に入ったことが10月24日分かった。
仮に2010年の前回増税時と同様に1本当たり3.5円引き上げれば数千億円の増収となる見込み。
2019年10月の消費税増税時に軽減税率を導入することで生じる1兆円規模の税収減の穴埋めに充てる。
衆院選での与党勝利を受け、政府は週内に経済財政諮問会議や「人づくり革命」の有識者会議を開き、消費税増税分を使った教育無償化の制度設計を始める。
軽減税率による減収分も、たばこ税をはじめ一連の代替財源について2018年度末までにめどを付ける方針だ。
たばこ税を巡っては、自民党の宮沢洋一税制調査会長が、税負担が相対的に軽い「加熱式たばこ」の増税方針を表明している。
厚生労働省や公明党は他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」を防止する観点から、一般のたばこの引き上げも求めている。
2010年の増税時は1本3.5円、20本入りの1箱で70円引き上げた。
その結果、国税と地方税を合わせた現在のたばこ税額は1本約12円、1箱で約245円となっている。
愛煙家や葉タバコ農家に配慮し、上げ幅を縮小する可能性がある。
たばこ税収は2015年度で約2兆1900億円。
喫煙率は低下しており、増税に伴う値上げでたばこ離れが加速し、思うように税収を確保できない恐れもある。
軽減税率は消費税率を10%に上げた後も、酒類・外食を除く飲食料品や新聞などの税率を8%に据え置く制度。
減収分のうち4千億円は低所得者の医療や介護費負担を軽くする、「総合合算制度」の創設見送りで賄う方針。
残る6千億円の確保が課題となっている。