40歳以上の会社員らが納める介護保険料を巡り、厚生労働省の外郭団体「社会保険診療報酬支払基金」が、各健康保険組合が同基金に納付する保険料額算定の係数を誤って示し、健保組合側の納付金予算が本来必要な額より計約200億円不足する見通しとなっていることが4月4日、分かった。
企業が運営する健保組合と公務員が入る共済組合は、同基金が毎年度示す係数に基づいて保険料納付金を算定し、予算編成する。
2019年度分は各組合がこれから同基金に納付するが、既に予算編成を済ませた組合は必要額に足りないため納付金確保に向けた対応を迫られる。
加入者が支払う保険料の引き上げが一時的に必要となる組合も出てくる恐れがある。
不足額は健保組合が約150億円、共済組合が約50億円。
厚労省は、各組合が非成した予算の予備費や準備金を使って2019年度中に不足分を納めることができなかった場合、納付を2020年度まで猶予するとしている。
一方、厚労省は1月下旬に同基金から係数に誤りがある可能性について報告を受けたが、3月末まで各組合に伝えていなかった。
早期に連絡していれば影響を抑えることもできたとみられ、対応に問題がなかったかどうか問われそうだ。
介護保険は市町村が運営。
会社員らが負担する介護保険料は各組合が徴収し、支払基金に納付して市町村に交付する。