人で初めてとなる万能細胞「STAP細胞」の可能性がある細胞の顕微鏡写真を、米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授のチームが2月5日公表した。
日本の理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの小保方研究ユニットリーダーらとともに開発したSTAP細胞作製法を使い、人の皮膚細胞からつくった。
人として初めてのSTAP細胞であることが確認されれば、臨床応用への期待が大きく膨らむ。
バカンティ教授は共同通信の取材に「マウスのSTAP細胞とよく似た特徴を示している」と説明。
さまざまな種類の組織に変化できる能力を持っていることを示す遺伝子が働いているかどうかを詳しく分析している。
人での臨床試験については「現時点ではまだ準備していない。 十分なデータが得られた段階で米食品医薬品局(FDA)に申請したい」と話した。
バカンティ教授によると、研究目的で販売されている新生児の皮膚線維芽細胞に弱酸性溶液による一刺激を与え、約1週間後にマウスのSTAP細胞とよく似た球状の塊をつくることに成功た。
もとの細胞は完全に皮膚に分化していたが、チームはほかの幹細胞が混じっていなかったかどうかも念のため調べている。
ハーバード大のチームは、すでにサルのSTAP細胞の作製に成功し、脊髄損傷を起こしたサルに移植する実験で「驚くべき成果」を出すなど、臨床応用に向けた研究を本格化させている。
生きたヒツジを使って損傷した気道を修復する実験も手掛けているという。
日本も臨床研究に遅れをを取らないように、研究支援、研究体制の充実を急がなくてはいけない。