ロシアがウクライナから一方的に編入したクリミア半島への鳩山元首相の訪問は、クリミアで大歓迎されている。
編入を理由とした対口制裁にも疑問を投げ掛ける鳩山氏は宣伝にうってつけ。
編入が国際的に認知されつつあるとのアピールに最大限利用したい思惑だ。
「このレベルの政治家は大きな政治的重みを持つ。 国際社会がその意見や立場を注視する」。
ポロンスキー「クリミア共和国」副首相は国営ロシア通信に鳩山氏招待の真意をこう語った。
鳩山氏は政界を引退し、政治的影響力をほぼ失ったとはいえ、主要国の元首相をいう立場は変わらない。
国際的には言動があたかも日本を代表するかのような印象を与える可能性がある。
鳩山氏はウクライナ危機でロシアの立場に一定の理解を示してきた。
今回も好意的な発言を引き出せるとロシア側は踏んでいるもようだ。
3月10日は半島南部ヤルタを訪れ、1945年の米国、英国、ソ連の首脳によるヤルタ会談の舞台となったリバディア宮殿を見学した鳩山氏。
副館長とその日本人の妻らと会い「(日クリミア)友好協会を立ち上げよう」と意気投合。
日本とクリミアの文化交流拡大の必要性を訴える姿をロシア国営テレビは放送した。
日本政府のジレンマは深まる。
これまでクリミア編入を力による現状変更で国際法違反と批判しつつ、北方領土交渉の前進をにらんで対口制裁を限定的にするなど微妙なかじ取りをしてきた。
しかし鳩山氏はロシアの査証(ビザ)を取得して訪問。
クリミアがロシア領との前提で現地入りしたことになり、政府はあらためて編入の違法性に言及せざるを得ない状況に置かれ、ロシアを刺激しかねないとの懸念が出ている。
ロシアはバカ鳩にさえも期待せざるを得ない状況なのだろうが、すぐに「バカ鳩山」が力のないことは分かるだろう。
かって鳩山民主党を支持し、投票した人は恥ずかしくないのだろうか。