厚生労働省は8月22日、大学や大学院を卒業した後も就職できず、職探しをしている若者を支援するため、正社員として採用した企業への助成金制度を設ける方針を固めた。
卒業後3年以内の若者が対象で、1人当たり数十万円を支給する方向だ。
2016年度実施を目指す。
政府は卒業後3年以内の若者を「新卒扱い」にして積極的に採用するよう企業に求めるが、既卒者採用に慎重なケースも多い。
厚労省の労働経済動向調査(2014年8月)では、新卒の採用枠への既卒者の応募が可能だった事業所の割合は29%にとどまっており、就職環境は依然厳しい。
景気回復で人手不足感が強まっており、助成金で若者の雇用安定を後押しする。
厚労省は女性の活躍支援のため、男性の育児休業取得を促す助成金制度も新設する方針だ。
「全員参加社会の実現」を掲げ、高齢者、障害者の就労も支援。
2016年度予算概算要求にこうした施策の経費を盛り込む。
大卒未就職者らを採用した企業への助成金の額は今後詰める。
正社員としての採用に加え、新人研修などに積極的に取り組むことを支給条件とする。
大卒や大学院修了までに就職できなかった人や、やむを得ず非正規社員として働く人、就職後すぐに退職した人などが対象になる見通しで、今後どこまで広げるか調整する。
男性の育休取得率は2014年度で2.3%にとどまる。
厚労省は休みを取得しやすくなるよう職場の規則整備などに取り組む企業への助成金を設ける。
男性も子育てに積極的に参加するよう促し、女性が出産後も働き続けられるよう支援する。
高齢者の就労支援ではシルバー人材センターと経済団体などが連携し、就労機会をつくる事業を展開する。
障害者の雇用対策として、担い手不足となっている農業での就労を支援。
農業の専門家を就労施設などに派遣し、指導する。
卒業後4年以上の未就職者、障害者にも、もっと対策を講じなくてはいけないのではないのか。