日本学生支援機構による奨学金制度をめぐり、文部科学省は10月2日までに、マイナンバーを使って年収を把握し、返還額を柔軟に変える「所得連動返還型奨学金」の導入に向けた検討を始めた。
有識者会議で年度内に報告を取りまとめ、2017年度の大学進学者から導入を目指すが、プライバシー確保などが課題だ。
2012年度に始まった現行制度では、年収300万円以下だと返還を猶予。総務省の2007年度調査で、大学などを卒業した30~50代の約3割が300万円を下回っていたことから、返還が進まず、債権管理コストがかさむ懸念が指摘されている。
また、300万円を超えると、急に一定額の返還が求められるため、借りた側からも負担が大きいとの声が出ていた。
文科省は、マイナンバーを使い、被貸与者の年収を把握。
一定の年収を上回った段階で返還が始まり、年収の増加に応じて返還額も増える制度を想定している。