踊る小児科医のblog

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タバコ問題の真実から政治家は目をそむけないで

2004年06月24日 | 禁煙・防煙
タバコ問題の真実から政治家は目をそむけないで(地元紙への投稿)
 16日の本紙に、地元政治家によるタバコの害を軽視するかのごとき発言が伝えられていました。
 確かに、かつてはタバコを吸いながら一流のスポーツ選手として活躍した人もいましたが、それは本人の優れた身体能力と努力のたまものであって、喫煙が心肺機能や運動能力を低下させるという事実を打ち消すものではありません。これだけタバコの害が明らかになったいま、自己管理のできる一流選手やスポーツ指導者が喫煙しているなど海外ではおよそ考えられないことです。
 また、喫煙がストレスを緩和させるというのも大きな誤りです。喫煙者がタバコを吸ってスッキリした気分になるのは、ニコチンが切れて「ストレスが増大した状態」に対して、ニコチンを補充して一時的に症状が緩和したからに過ぎません。しかも、その効果は30分と続かず、再び我慢できなくなり仕事や勉強の能率も低下します。
 ニコチンによって本来持っているストレス緩衝能力を失い、常時ストレスにさらされ、喫煙しなければ解消できなくなる、これが禁煙したくてもやめられない薬物依存の恐ろしい仕組みです。
 国内で毎年10万人以上の人がタバコ病により亡くなっているだけでなく、タバコ税収を5兆円も上回る医療費や労働力などが社会から失われています。県民の健康と暮らしを守る立場にある政治家には、目前に迫った無煙社会を見すえて、タバコ農家の転作支援に力を入れていただくだけでなく、子どもを含めた全ての県民にタバコ問題の真実への理解を広め、最短命県から脱却するため一緒に取り組んでいくことが求められています。