踊る小児科医のblog

青森県八戸市 くば小児科クリニック 感染症 予防接種 禁煙 核燃・原発

スマトラ沖地震で伝えられていないこと

2005年01月07日 | NEWS / TOPICS
26日の夜にスマトラ沖地震・津波で甚大な被害/救助隊派遣は要請を待つなというタイトルで日本の報道体制の初動の鈍さを批判した記事を書きましたが、スマトラ沖地震(→asahi.com特集記事)の人的被害の大きさには適切な表現が思いつきません。ワシントン・世界銀行の慶長さんが被害国であるスリランカの水道などのプロジェクトを以前から担当してることはブログを読んで知っていましたが、今回の津波で早速支援のために動き始めているようです。3日のデーリー東北にも「慶長さん(八戸出身)スリランカ支援担当」と掲載されていたのでお読みになった方も多いでしょう。
(と思っていたら、今回はモルディブ担当になったということを昨日のブログで知りました)
アジアの地震とTSUNAMI  ワシントン通信
インド洋へ緊急出動  モルディブ通信

問題は、当日の夜にも書きましたが、アメリカや日本は津波発生を予知できていたはずなのに、各国に知らせることを怠ったこと。それによって、助かったかもしれない数万人の命が失われたことを考えれば、これは人災と言って過言ではないでしょう。もちろん、インド洋での津波予知システムの設置を経済的理由から断った沿岸諸国政府も追及されるべきだし、観光産業への影響を考えて当日警報を出さなかったというタイ政府などの対応も問題なのですが、日米、特にアメリカでは米軍基地への情報は流していたようで、この点についてはTUP-Bulletin  TUP速報のメールで知ることができます。NHKなどの報道機関も「日本に津波が来る心配はない」だけで終わらせたことは、重大な犯罪的怠慢と言えます。今頃になって情報システムの共有をどうのこうのと提案しているようですが、ただ電話するだけでどれだけの命が救えたか。。。

そのことを、一般のマスコミは全然追及しようとしない。また、インドの核施設の被害も懸念されているようですが、これも一般紙には全然出てきません。軍事政権下のミャンマーの被害も全然伝えられてこない。日米はこの機会に地域への軍事プレゼンスを増大させることに熱中しているようだし、援助が常任理事国入り競争になっていたり。。