男の料理指南

知人がくれたレシピを紹介します。
アレンジも含めた男の料理です。
じーじが娘と孫に残したいレシピ

小鮎の山椒煮

2011年07月06日 | 魚介類

レシピは小鮎と実山椒の佃煮です。鮎を煮ながら池波作品「鬼平犯
科帳」にでてくる、「鮎飯」のことを思い出しました。「醤油の淡味を
つけた飯がふきあがったところへ、頭をとった新鮮な鮎を突き込み、
尾先から引き出して骨をぬき、飯の中へ残った魚肉をかきまぜ・・・」
(原文のまま)とあります。さむらい松五郎の中の一こまです。

具材はちがいますが「蛇飯」のことが、漱石の「我輩は猫である」に
でてきて、その作り方はこうです。飯がふきあがったところへ、とぐろ
をまいた蛇を放り込んでフタをする。ふたには10こばかり穴があけて
あり、そこから蛇が鎌首を出すが、そのまま煮えてしまう。頃合をみて
頭をグイと引っぱると骨がぬけて身だけがのこる・・というハナシです。

両方ともふきあがった飯に入れて炊く、尾か頭を引っぱって骨をぬく、
のこった身とご飯をかき混ぜる、などは一緒です。漱石は胃弱ながら
グルメ志向が強かったそうで、鮎飯のことを知っていて、蛇飯に借用
したのか探しましたが見つかりません。「猫」執筆と同時期のメモ書き
「断片」に、「蛇メシ・・」とあるだけでした。

池波正太郎が愛したという埼玉・寄居「京亭」をネットで探索したら、
鮎飯の写真がありますが、ご飯のうえに鮎がのっかっていました。
京亭さんに電話で聞いたら、鬼平風の炊き方はご存知ないようでした。
なおもしつこく、ネットを探すうち、米に差し込むやり方が、ひとつだけ
みつかりました。こちらは、下こしらえした鮎を、頭を上に、尾のほうを
米に差し込んで炊く・・・標題は、四万十の鮎飯とありました。
  
魚屋さんにきれいな小鮎がならんでいました。その日、ふだんと違って魚の数が少ないようでした。店頭に
「台風の影響で入荷が少ない」旨の掲示がありました。震災以来魚介類の入荷量が減った・・釜石と千葉の
漁港が立ち直るのをまっているのだが・・・お店の店主の言葉です。震災はこんなところまで影響しています。


材料
小鮎 1パック 250g
実山椒 1/4カップ 25g
日本酒 1カップ 180cc
みりん 大さじ 2 20cc
創味つゆ 大さじ 3 30cc
たまり 大さじ 2 20cc

竹の皮 1枚

作り方
煮るとき、小鮎が重なり合うのを避けるため
底の広い大き目の鍋をつかう

なべ底に竹の皮を敷いて、小鮎を並べる。
竹の皮に、鍋底の直径ながさの切れ目を入れる
小鮎が重なるのは、三重くらいまでにとどめる。


味山椒と、日本酒・みりんを入れて火にかける。
火は中火、グツグツし始めたら弱火にして落としぶたをする。

30~50分煮込んで創味つゆとたまりを加える。
弱火のまま、フツフツと気長に煮る。
強い火で煮ると小鮎が踊って煮崩れる。
1時間くらい煮て、煮汁が少なくなったら火を止めてそのまま冷ます。
煮る間・・おとしぶたをかぶせたり、取りあげたりはするが、
それ以外は、箸などでいじらないこと・・いじると崩れます。


完全に冷めたら1尾ずつトレーに移して、竹の皮を取り出す。
熱があるうちにつまむと崩れる・・完全に冷めたら、箸で
つまんでも崩れたりはしません。


残りの煮汁を小鮎にからませる
なべに残った煮汁に日本酒を少し加えて火にかける。
沸き立ったら、トレーの小鮎を鍋に戻しいれて煮汁をからませる。

焦げ付かないよう、鍋をゆすりながら煮詰めて、できあがり。




コメント
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