レシピの炒り豆腐は、幼いころから親しんできた「おかず」です。今の日本は
食材豊富ですが、幼いころはその日の食べ物に事欠きました。後期高齢の
年代の方なら、皆さん、記憶に新しいことと思います。
その頃でも、豆腐に油揚げやおから、こんにゃくなどは買うことができました。
空腹の余り、生こんにゃくをちぎって食べた思い出があります。炒り豆腐は
良く食卓に上った料理で、鮭の水煮缶と炒りごまが入っていました。
食糧不足の当時、母親が鮭缶をどうして手に入れたのか、今は分りませんが、
胡麻は畑で自作していました。今、胡麻は99.9%を輸入していて、残り0.1%は、
鹿児島県喜界島で生産されていると言います。
豆腐の原料の大豆やこんにゃく芋は、地元で栽培していたので、細々ながら
自給できていたのでしょう。今のように、消費の大部分を海外からの輸入に
頼ると、かつてのような食糧不足の時、どうしのぐのか心許ない限りです。
炒り豆腐を作るに際し、その起源を調べましたが、確たる根拠は分りません。
今から230年ほど前・・天明2年=1782年・・天明の大飢饉があった頃のこと、
豆腐を主材に100通りの料理を紹介した「豆腐百珍」が出版されました。
その中に「炒り豆腐」は№85に記載されています。豆腐を3㎝×1Cm角に切り、
鍋で油焼きする。一方で、粉末の青海苔に熱い油を落とし、醤油で味付け
した薬味を作り、油焼きした豆腐に添えたのが当時の「炒り豆腐」です。
豆腐にごま油、炒りごまに加えて青海苔など、いま考えても実に栄養豊富な
料理と感心します。レシピのほか、挽き肉などで作る「炒り豆腐」もおいしい
でしょう。作り置きして重宝する「おかず」です。今晩にでもお試し下さい。
炒り豆腐とは・・・調べると、豆腐の水気を切ってつぶし、調味料を加えて炒りつけた料理とあり
ます。具材を加えるとは書いてないので、原始的な炒り豆腐は、おそらく豆腐にゴマが入るだけ
だったかも知れません。レシピはそれにツナ缶を加えただけの、シンプルな炒り豆腐です。
材 料 木綿とうふ 1/2丁 200g
ツナ缶 1缶 80g
きくらげ 1枚 10g
青ねぎ 3本
ごま油 大さじ 2
炒りゴマ 大さじ 2
日本酒 大さじ 2
みりん 大さじ 1
砂糖 大さじ 1
濃口醤油 小さじ 2
作り方 豆腐を崩して熱湯で煮る
鍋に熱湯を沸かし、豆腐を手で崩しながら入れ
3~4分煮てザルに揚げる。
布巾で豆腐を包み、水をかけて冷ましながら、
水気を・・程ほどに絞る。
・・絞り過ぎると豆腐がパサついてしまう・・
絞った豆腐を、ゴマ油で炒める
鍋にごま油大さじ2を入れて火にかけ、熱したら
豆腐を入れてヘラで炒める。
・・炒り豆腐のポイント・・湯で煮た豆腐を絞り、
ゴマ油で炒めることです。
シーチキンを加える
豆腐がパラついてきたらシーチキンを加えて
ムラがないように、全体を良くかき混ぜる。
きくらげと調味料全部を入れて、火を強める。
水気がなくなったら、炒りゴマと刻んだネギを
加えてできあがり。
ご飯のおかずに、お酒の肴にもOKです。
温かいご飯にたっぷり乗せて、かき混ぜて
食べる振りかけ風にしてもよろしい・・です。