前回レシピ「八丁みそ汁」の八丁は、尺貫法の長さの単位で、1丁=60間≒109mです。尺貫
法は明治26年に制定されました。その前、明治19年に日本はフランス主導のメートル条約に
加盟、尺と貫をメートル法原器から換算し、1尺=10/33m、1貫=15/4kgと定めました。
1尺≒30.3㎝、6尺=1間、60間=1丁、36丁=1里≒3.93㎞、が丁とメートルの換算です。
米国はヤードポンド法とメートル法の並行表示です。日本でもTV規格のインチ、ゴルフ飛距離
のヤード、プロボクシング体重測定のポンドのほか、多方面にヤードポンド法が残っています。
1ヤード=3フィート=36インチ≒91.4cm、1フィート=12インチ≒30.48cm、1インチ≒2.54cmです。
1フィートは古代メソポタミア・シュメールのころ、人の足の長さで決めたと言います。私の足の
サイズ26.5㎝に比べずいぶん大きな足です。1ヤードは、アングロサクソン人のウェスト周りの
サイズからと言う説や、英国王ヘンリー1世の鼻先から指先までの長さ・・と言う説があります。
尺貫法の1尺は、人の腕・ひじから手首までの骨の長さを基準にしたそうで、これら人の体に
準拠した寸法を、身体尺と言います(Wikipedia フィートより)。
度量衡で厄介なのは繰り上げ進数の多様さ・・中でもヤードポンド法は複雑です。長さの単位
はインチが最小、以下の小さい表示は1/2インチ、1/4インチなど分数表示するのが一般的です。
最長単位の1マイルは1760ヤードという、10進法の概念からは理解しにくい半端な数字です。
1マイル=80チェーン、1チェーン=22ヤードというのがその根拠のようです。10チェーン=1ハロン≒200m
ですが、この数字は今でも競馬に使われています。1マイルはメートル法では約1.6㎞です。
お送りするレシピは親芋二題です。両方で500gの親芋を使いました。500gは尺貫法で133匁、
ヤードポンド法では1.1ポンドになりますが、どちらも質量イメージがピンときません。メートル法
移行(1951年)から62年、グラムもセンチもすっかり身についた・・と実感したのであります。
毎年里芋を作りますが、できはもう一つです。里芋栽培の最高傑作は十数年前、仲間と佐用町
で共同栽培した時のものです。以後、夢よもう一度とチャレンジしますが、あの時のような品質の
芋ができません。スーパーで買った芋を、大雑把に植えたのですが、それが良かったのでしょう。
材 料 親芋 3こ 300g
油揚げ 1枚 80g
日本酒 大さじ 2
みりん 大さじ 2
さとう 大さじ 1
淡口 小さじ 2
出汁 2カップ ・・昆布と削り鰹でとる
出汁の代用 昆布出汁の素 1/2パック
鰹まる 小さじ 1
作り方 皮を剥く・・厚く剥くのがコツ
親芋の皮を剥くときは、思い切り厚く剥く。
芋にもよるが、5mm厚さに剥いても、茶色
や黒い斑点があったりする。真っ白な生地
が出るまで剥く・・煮あがりがきれいなのと
全体が柔らかく煮える。
親芋を茹でる
下ごしらえした親芋を水から茹でる。
・・火力は中火で、ゆっくりと茹でる・・
くし刺しして、抵抗なく通ればOK。
出汁と調味料全部をなべにとり、中火で煮る。
沸き立つ前に、茹でた親芋を入れて煮る。
油通しした油揚げも加えて、中火で煮込む。
・・煮る温度は80度くらい、ふっとうはNG・・
親芋と油揚げに、味を含ませながらやさしく
中温で煮込む・・この間、芋には触りません。
・・ヘタに触ると煮くずれてしまう、このまま
くっつりと薄味で煮てから、火を落とます。
煮ものの温度が下がる過程で、具材は味を
含み、冷めたら芋が固くなり箸で扱えます。